「正しい魚の食べ方」って?!
猫の方が上手なはず
先日、「笑っていいとも!」で、魚の食べ方についてのマナーが話題になったとか。そのことを母親から聞いたのだが、わかったのは、私の食べ方はマナーとして正しくないということだった。


と同時に、姉の方はマナーに適した食べ方だったよう。同じ家で生まれ育ったのに、魚の食べ方ひとつとっても変わってくるから不思議。そういえば家で「魚の食べ方が汚い」と常に注意されてきたのは私だっけ。それでも直さなかったわけだから、「ちゃんと教えてくれなかったからだよ!」などと親を責められない。

それでは、どういう食べ方がよくて、どういう食べ方が悪いのか?
まずは、恥ずかしながら私の非・模範的な食べ方を披露しよう。

例えば、焼いたアジを食べる場合。

表側の皮をとり(皮は食べてしまうこともあるが)、身を食べる。そして骨が出てきた時点で、魚をそのままひっくり返す。すると裏側だったものが表側となり、また新しい魚のような状態になる。そこで同じように皮をとって食べていく。そうすると、イラストのように、食べ終わったあとの魚は、頭と骨としっぽがつながったままの、マンガなどでよく猫がくわえて歩いてる魚のようなサマになるのだ。

こんなふうに私と同じような食べ方をする人はけっこういると思うのだが……。
私の場合はきちんと身がとりきれていないためか、さらに食べ終わったあとが美しくないようだ。

一方、マナーとして良いのはこうだ。「表側の皮をとり、身を食べたあと、出てきた骨をはずしたら、お皿の脇の方においておく。そして出てきた奥の身を食べていくというもの」。また、残った部分だけ、骨と一緒に端の方によせておけば、食べ終わった後もきれいにみえる。たしかにこれならきれいに食べられるだろう。
頭ではわかっているはずなのだけど……。

念のため、友人たちにも聞いてみた。すると、他にも面白い食べ方をする人がいた。

「まず最初に片側から真ん中の骨のあたりに箸を入れ、骨に沿ってすーっと切り込みを入れる。そして、その真ん中の切り込みから身ごと外側(両側)に向けて開く。つまり、魚の開きのような形というのだろうか。
そうすると、自然と骨が顔をだすので、その時点で骨をとってしまう。そうすれば、あとは身だけの状態になる」という方法だ。

この食べ方は何人かいたが、私にとっては驚きの食べ方だった。

あとは「アジの干物だったら骨がとりにくいから、最初からひっくり返して食べる」というのは数名。また「鯛だけは、ひっくり返して食べるパターン。『やっぱり鯛はこう食べちゃうよね〜』という親戚の会話を子どものときに耳にして以来、なぜか鯛に限ってはそう食べるもんだと思い込んでた」という人も。
魚によって食べ方が変わるというのは他にもいたし、結局それぞれの習慣が大きいのだ。

ただ、共通していたのが「魚は食べるのが難しい」、「なかなかきれいに食べられない」という根本的なこと。マナーに適した食べ方をしている人でもそう感じている人はいた。

そう、魚はきれいに食べるのが難しいのだ!!

なんて、開きなおってはいられないけれど、私が自分流の食べ方をとおしてきたのは、たぶん外出先で焼き魚を食べる機会がほとんどなかったからでは、と思っている。家ではつい楽な食べ方をしてしまって、そのままというわけ。

しかし、「お見合いのとき、マナーをみるために、あえて魚料理を出すことがある」という話もでてきたりして。
お見合いする予定はないけれど、大人のマナーとして、やっぱり家でもきれいな食べ方をそろそろ身につけた方がいいのかも?!
(田辺 香)