
金魚といっても、一緒に暮らしていくには、けっこう相性が重要です。
金魚なんて、みんな同じ――以前はそう思っていた。そもそも、「金魚の性格」なんてもの自体、考える機会もなかった。
だが、金魚飼いになって2年半。金魚の性格、相性について、つくづく思い知らされている。
というのも、2年半飼ってきた金魚2匹のうち1匹が先日、他界し、残された金魚があまりに落ち込んだ様子(←に見える)だったので、「お友達」を新たに2匹買ってあげたところ、「事件」が起こったのである。
2年半前から飼っている和金は、全長20センチを超える巨大魚になっているのだが、それに匹敵するような大きさの「お友達」が金魚屋にいようはずもない。
店員さんに事情を話したところ、すすめられたのは、同じく「和金」とその同類の「コメット」で、「小さい金魚が追い回されないよう、複数入れて注意を散らしたほうが良い」とのアドバイスから、コメットと、他界した金魚と同じぷっくり太った「琉金」の2匹を購入した。
店内でいちばん大きいものを選んでもらったが、いずれも全長5センチ程度。しかも、
「相性は、実際に入れてみないとわかんないんですよ」と言うではないか。
新入りはまずビニール袋ごと水槽に浮かべて「水温」をあわせてあげ(※金魚飼いの基本)、「合流」させてみた。だが、驚いたことに、様子がおかしくなったのは、20センチ超の金魚のほうだった。
水槽に隅に座り込み、小刻みに震えている(←ように見える)。数日後、ようやく落ち着いたかと思った頃に、今度は「琉金」に異変が起こった。
なんと一緒に買ったコメットにつつかれ、追い回され、ヒレや尻尾が傷ついて、ぐったりしてしまっているのである。
慌てて洗面器に「隔離」し、金魚屋に相談したところ、
「やっぱり金魚同士の相性は入れてみないとわからないんですよ」。
「和金と琉金は、一緒の水槽で飼わないほうが良い」と金魚関係の書籍などにはよく書かれているのだが、これまで2年半一緒に暮らしてきた2匹は、相性バッチリだったのだが……。
「もともと『和金』や『コメット』は泳ぎが得意で速く、琉金はあんまり泳ぎがゆったりしてるからね。これまでの金魚は、たまたま和金がおとなしいコで、琉金が気の強いコで、うまい具合にバランスがとれていたということでしょう」
確かに、小さい新入り2匹におびえて震える20センチ超の巨大和金の姿は、惨めですらあった。
対策は、「泳ぎの苦手な琉金」を1匹だけ別の部屋にして休ませてあげることというが、もし、けがが治ったら、また合流させても……?
「いや、別々にしておいたほうが無難ですね。やっぱり相性がありますから」
結局、我が家にはまた新たな水槽が1つ増えた。
20センチ超の大きな体で気の小さな和金と、5センチ程度の体ながら、気が強く、決して負けてないコメットの同居する水槽が1つ。
そして、泳ぎが苦手でおっとりした琉金の「離れ」が1つ。
金魚すくいをするときは、どうぞ「種類」や「大きさ」「相性」にも気をつかってあげてください。
(田幸和歌子)
だが、金魚飼いになって2年半。金魚の性格、相性について、つくづく思い知らされている。
というのも、2年半飼ってきた金魚2匹のうち1匹が先日、他界し、残された金魚があまりに落ち込んだ様子(←に見える)だったので、「お友達」を新たに2匹買ってあげたところ、「事件」が起こったのである。
2年半前から飼っている和金は、全長20センチを超える巨大魚になっているのだが、それに匹敵するような大きさの「お友達」が金魚屋にいようはずもない。
店員さんに事情を話したところ、すすめられたのは、同じく「和金」とその同類の「コメット」で、「小さい金魚が追い回されないよう、複数入れて注意を散らしたほうが良い」とのアドバイスから、コメットと、他界した金魚と同じぷっくり太った「琉金」の2匹を購入した。
店内でいちばん大きいものを選んでもらったが、いずれも全長5センチ程度。しかも、
「相性は、実際に入れてみないとわかんないんですよ」と言うではないか。
新入りはまずビニール袋ごと水槽に浮かべて「水温」をあわせてあげ(※金魚飼いの基本)、「合流」させてみた。だが、驚いたことに、様子がおかしくなったのは、20センチ超の金魚のほうだった。
水槽に隅に座り込み、小刻みに震えている(←ように見える)。数日後、ようやく落ち着いたかと思った頃に、今度は「琉金」に異変が起こった。
なんと一緒に買ったコメットにつつかれ、追い回され、ヒレや尻尾が傷ついて、ぐったりしてしまっているのである。
慌てて洗面器に「隔離」し、金魚屋に相談したところ、
「やっぱり金魚同士の相性は入れてみないとわからないんですよ」。
「和金と琉金は、一緒の水槽で飼わないほうが良い」と金魚関係の書籍などにはよく書かれているのだが、これまで2年半一緒に暮らしてきた2匹は、相性バッチリだったのだが……。
「もともと『和金』や『コメット』は泳ぎが得意で速く、琉金はあんまり泳ぎがゆったりしてるからね。これまでの金魚は、たまたま和金がおとなしいコで、琉金が気の強いコで、うまい具合にバランスがとれていたということでしょう」
確かに、小さい新入り2匹におびえて震える20センチ超の巨大和金の姿は、惨めですらあった。
対策は、「泳ぎの苦手な琉金」を1匹だけ別の部屋にして休ませてあげることというが、もし、けがが治ったら、また合流させても……?
「いや、別々にしておいたほうが無難ですね。やっぱり相性がありますから」
結局、我が家にはまた新たな水槽が1つ増えた。
20センチ超の大きな体で気の小さな和金と、5センチ程度の体ながら、気が強く、決して負けてないコメットの同居する水槽が1つ。
そして、泳ぎが苦手でおっとりした琉金の「離れ」が1つ。
金魚すくいをするときは、どうぞ「種類」や「大きさ」「相性」にも気をつかってあげてください。
(田幸和歌子)
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