金魚が「ワハハの梅ちゃん」になっちゃいまして
調子に乗りすぎたのか、顔面打撲で唇がズルむけた金魚。痛覚はないらしいので、痛くはないようですが、どことなくしょんぼりしています。
このところ涼しくなって、過ごしやすくなってきたせいか、金魚が上機嫌で、水槽内を猛烈な勢いでぐるぐるまわっている。
朝も夜もまわっている。

まるで世界陸上を意識してるかのように、1周1〜2秒という猛スピードで、いまにもバターになってしまいそうな勢いで、まわっている。

でも、全長20センチはあろうかという、巨大化した金魚にとっては、たとえ70センチのそこそこ大きい水槽でも狭いと見え、ときどき「ゴンッ」という激しい衝突音をあげて、頭などをしたたかに打ちつける。
それでも「楽しそうだなあ」くらいに思っていたのだが、ある朝、目覚めると、唇がズルむけ、紫色に腫れあがっているではないか。
こういうことって、金魚にとっては「よくあること」なんだろうか。

ペットショップに相談に行くと、
「ああ、広い池などは別ですが、水槽のなかでは、金魚がぶつかることはよくあって、口のかたちが変わったり、色が変わることはありますね」
と言われた。

これは、「涼しくなって動きが活発になっているから」というが、特に病気でない限り治療法はないそうで、
「しいていえば、もっと大きい水槽にかえてあげることか、水草などで落ち着く場所をつくってあげると良いですよ」
とのこと。

落ち着く場所?
「金魚がぐるぐるまわるのは、落ち着かないからということも考えられます。隠れられる場所があると良いかも」
そういえば、金魚が妙にまわり始めたのは、水槽を掃除した後のこと。もしかして、透明でキレイな水槽は、プライバシー無視の丸見え状態で、ストレスだったり……?

さらに、気になるのは、鼻の穴に砂利が詰まってしまっていること。最初は目を疑い、「ワハハの梅ちゃん?」と尋ねてみたりもしたが、半年以上、とれないままだ。
「ちょっとそれは聞いたことないですねえ(苦笑)。ただ、無理矢理ほじくるわけにもいきませんし、自然に入ったものなら、自然にとれると思いますよ」
これは気になって、ネットなどでも調べてみたのだが、同じ経験をしたことがある人がわずかにいて、「2週間でとれた」などと書いていた。


それにしても、金魚すくいをきっかけに、なりゆきで飼い始めたばかりの頃は知らなかったが、泳ぎのうまい活発な和金は、おっちょこちょいで調子乗りで小心者、対して、ぷくぷく太った琉金は、のんびり寝てばかりで、神経も太かったりと、意外と性格にも「個人差」があることがわかってきた。

鼻の穴の砂利事件も、水槽での顔面打撲事件も、和金の落ち着きのなさが招いたもので、そのたびに、大騒ぎで動き回る和金に振り回され、琉金は寝不足になるのか、終日とろとろとまどろんでいる。
本来、和金と琉金は、一緒の水槽で飼わないほうが良いといわれているが、この「ふたり」、不思議といいコンビなのだ。金魚にも、ちゃんと性格、あるんです。

ちなみに、人なつこいのは、琉金など、体がぷくぷく丸い金魚。ペットショップの水槽の前で、手をヒラヒラさせると、みんな寄ってくるので、「金魚オーケストラの指揮者気分」が味わえます。

一度おためしを。
(田幸和歌子)