
答えは「ラールダールトンネル」。
ラールダールトンネルは、オスロとベルゲンを結ぶメイン道路、さらに細かく言えばアウルランとラールダールという2つの村を結ぶところにある。1995年に工事が始まり、2000年に完成。このトンネルの開通によって、世界最長・最深のソグネフィヨルドへのアクセスが一層便利になった。
先日ノルウェーを訪れた際、このトンネルを通る機会に恵まれた。想像以上の長さにはもちろん驚かされたのだが、意外にも飽きることなくサクッと通過。もちろん物珍しさなど心理的な理由もあったかもしれないが、それだけではない。
実はラールダールトンネルには面白い仕掛けがある。トンネルがあまりに長いため、「途中で運転手が飽きないように」と、トンネル内の3カ所に特別なライティングが施されているのだ。トンネルに入ってしばらくすると、青色の妖しげな光の空間が登場し、真ん中には緑色の空間、そして出口付近に再び青色の空間が広がっている。
ちなみにこのトンネル、平均すると一日に1,000台ほどが通っているという。世界一の割に少ない気もするが、ノルウェー全人口が約467万人であることを考えれば納得かも。
あくまでひっそり、しかし堂々と佇む世界最長のラールダールトンネル。ソグネフィヨルドを観光する際には通る人も多いはず。ぜひ妖しくもどこか美しいこのトンネルをじっくり堪能してみてください。あっ、あえて意識しなくてもじっくり堪能せざるをえない長さだけど。
(古屋江美子)