「隣の学年同士は仲が悪い」と言われる理由
3つ違いでも、大の仲良し。
子どもの頃、特に中学時代などは、どういうわけか「1年生と3年生は仲が良いけど、2年生は悪い」みたいなことを言う人が多かった。

「1年は可愛いけど、2年は生意気」という3年生。
また、「2年の先輩は嫌いだけど、3年の先輩はかっこいい・優しい」と言う1年生とか。
さらに、大人になった今ですら、ときどき互いの年齢を確認したとき、「あ! 2コ違いか〜、相性良いわけだよね」なんて納得する人もいる。
「隣の学年同士が仲悪い」と言われるのは、いったいなぜなんだろう。

あまりに感覚的なものゆえ、明確な答えなど出るはずもないのだが、積年の疑問を学校関係者たちにぶつけてみた。

「学年1つ違いが仲が悪いというのは、確かに聞くことがありますね。でも、学年で性質が決まっているわけでもないし、全然関係ないと思いますよ」
というのは、都内の小学校教諭。一方、こんな言い分もある。
「学年1つ違いというのは、生まれた月によってはほとんど同じトシになりますよね? 一応、『学年』という上下関係があるものの、実質は変わらない。それで、同レベルになるだけに、けんかなどが多いというのがあるのでは?」
「トシが近いと、衝突が多いのは当たり前。学年1つ違いが仲悪いのではなくて、トシが離れていればいるほど、上の人は気持ちに余裕をもてるし、優しくなれるから、仲が良いということでは?」

さらに、中学校の教諭などはこんな指摘をする。
「勉強でも部活でも、『去年の1年生はもっと○○だった』とか、先生のほうでも、前年と比較してハッパをかけることがけっこうあります。比較されることで、1つ上の学年に対してはライバル意識が強くなり、仲が悪いような印象を持つのでは?」

さらに、大人になっても「学年の違い」で相性の良し悪しを言う人は「中学や高校時代の感覚を引きずっているだけ。
星占いとかと同じだと思いますよ」とのことだった。

学年1つ違いは、結局、ほとんど「同レベル」になってしまうということ、さらに、比較されやすいというのが大方の意見のよう。

そんななか、面白かったのは、次のような指摘。
「隣の学年が仲悪いというより、2つ違いがより仲が良いという気がします。なぜかと考えてみると、学校でみると2つ違いの兄弟が多いからかな? 子ども達の様子をみていると、お兄ちゃん、お姉ちゃんにくっついて遊びにいったり、またはおちび達が付いて行ったりしてるみたい。で、自然と仲良くなるんじゃないかな?」(青森の小学校教諭)

ちなみに、学校で言われるのは、仲が良い悪いということよりも、こんな説だとか。
「学校のなかでよく言われるのは、『おばか』→『賢い』という波があって、だいたい1年おきということ。つまり2つ違いということになります。話が合う、合わないには、そんなところも影響するのかも?」
おばかの学年と、賢い学年があると言われるなんて……。

たかが1歳違い、されど1歳違い。そこには年齢が近いだけに、複雑な思いや力関係がからみあっているのかもしれません。
(田幸和歌子)
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