インドネシアの自動車製造業者協会(GAIKINDO)はこのほど、2025年1~6月の電気自動車(EV)のインドネシア販売が前年同期比267%増の3万5749台となり、うち中国ブランド車が93%を占めたと発表した。

ブランド別では、比亜迪(BYD)が首位となり、上汽通用五菱汽車(SGMW)や奇瑞汽車(Chery )、広汽埃安(AION)なども上位に入った。

業界関係者は、インドネシアで中国ブランドのEVの販売台数が急拡大した背景には、選択肢の多さやコストパフォーマンスの高さ、現地生産の進展などがあると指摘する。

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インドネシアはニッケルの埋蔵量で世界一を誇り、EVや車載電池の製造に不可欠な鉱物資源も豊富だ。2024年から25年3月にかけて、BYDや吉利汽車(Geely)など中国自動車大手7社が総額15兆ルピア(約1350億円)を投資、年産能力は計28万台に達する見込みだという。また、車載電池最大手の寧徳時代(CATL)や電池材料大手の貝特瑞新材料集団(BTR)なども、相次いで現地工場を建設している。

目下、インドネシアの自動車産業はクリーンエネルギー車への転換を加速している。GAIKINDOのクク・クマラ事務局長は、インドネシアは電池モジュール産業、とくにこれまで輸入に頼ってきたモーターや電池管理システム(BMS)向け半導体など中核部品をめぐる産業の育成を重点的に進める必要があると指摘。インドネシアの企業は、高い競争力を持つ中国の部品企業から学び、協業を進めるべきだとの考えを示した。

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*1000ルピア=約9円で計算しています。

(36Kr Japan編集部)

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