コンパクトなのに飛ぶ! ジョン・ラームのドライバースイング【連続写真】
ラームのスイングはものすごくコンパクトです。
バックスイングでは右方向に重心移動し、左腕が地面と平行になった位置で、下半身がすでに切り返し動作に入っています。だからトップはすごくコンパクト。切り返しでは、見た目以上に左に強く踏み込んで、腕を引っ張り下ろしている。最後は脚を伸ばしながら、左足から体の重心までの距離を長く取ってフルリリース。トップが大きすぎると緩みが生じて、切り返しでクラブにかかる力が弱くなりますが、ラームはトップで緩みがなく、ダウンスイングでクラブに力をかけ続けているから飛ぶのです。
トップのレイドオフ(後方から見たときに、シャフトが飛球線と平行のラインよりも左へ向く)も特徴的です。このポジションからクラブに力をかけられるのはすごいですけど、普通はできない。そもそも左手首を手のヒラ側に折るヒンジングでレイドオフになりますが、私は推奨しません。ゴルフを小さい頃からやっていて、ヒンジングを何のストレスもなくできるのであればいいんですけど、ある程度年齢がいって、スクエアグリップやウィークグリップでヒンジングをするのは怪我のリスクが高いので危険です。
フォロースルーを見ると彼は左足カカトを軸にして回っていることが分かります。切り返しで左足を踏み込んだときに、ツマ先からすでにカカトに加重がかかっている。
ラームが年を取っておじさんになったら、きっとリー・トレビノみたいなスイングになると思います。切り返しが早くてトップがコンパクトなことが共通点です。
■解説・井上透
1973年生まれ。神奈川県出身。1997年からツアープロコーチとしてのキャリアをスタート。中嶋常幸、佐藤信人、米山剛などのコーチを務めた。
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