女子のティーチングプロにとって2021年は記念すべき年となる。日本プロゴルフ協会(PGA)は、先週、シーズン後半の競技日程を発表。
その中には、日程、開催コース未定ながら、第1回日本ティーチングプロ女子選手権大会(仮称)が含まれていた。
1999年に日本ゴルフツアー機構(JGTO)ができ、ツアー部門が分かれて以来、PGA主催のツアー競技は日本プロゴルフ選手権だけ。2022年を最後にプロテストは廃止することも決まっており、ティーチング部門に力を注ぐ方向性を持っている。
そんな中で、昨年、誕生したのが5人の女性会員だ。「教わる側には男女両方いるのに、教える側は、PGAは男だけ、LPGAは女だけというのは、お客さん目線ではない」(倉本昌弘PGA会長)と考えての門戸開放。定款には会員を男子に限るという文言も入っていないことから募集して、5人が合格している。

今年が第23回となるティーチングプロ選手権と同様に行う女子選手権への参加希望は、現在のところ4人で、ストロークプレーを予定している。それでも、倉本会長は「第1回日本プロ(1926年)も参加者は6人でしたから。賞金多くは出せませんが(今年は総額20万円)永続的に続けることで増やしていきたい」(倉本会長)と、今年88回大会を迎えるビッグイベントを例に上げ、発展を望んでいる。
ツアーだけでなくティーチング部門も持つJLPGA(日本女子プロゴルフ協会)との“棲み分け”は気になるところ。PGAが女性受け入れを表明した頃から話し合いが持たれてきたが「LPGAからは『困る』と言われました。でも、うちも定款で禁止していない以上、拒否することはできませんから」(倉本会長)と、どこ吹く風。
そもそも、教わる側にとっては、“いい先生”であればどこの資格を持っていようが関係ない話。資格などなくても問題はない。
年に1度、ティーチングプロたちが一堂に会し、技術を競うことで刺激し合う大会に女子の部ができるのは自然な流れといえるだろう。
PGAの会員は約5500人。約2万7000人の会員数を誇るPGAオブ・アメリカとは大きな差があるが、後者にはたくさんの部門があり、女性会員も多い。前会長(現在名誉会長)のスーザン・ウェ―リー氏は、初の女性会長として手腕を振るってきた。
ようやく、女性会員が入会したPGAに女性会長が誕生するのはまだまだ先の話になりそうだが、その第一歩を踏み出したのは大きい。
電話でだが女性会員5人を取材する機会があったのだが、大きな意欲と行動力が感じられ、可能性を秘めた人たちだった。彼女たちの加入が、男性会員の刺激になる部分もあるだろうと思ったことをよく覚えている。
老若男女が一緒に楽しめるのがゴルフの魅力。それを伝え、サポートするティーチングプロは、ゴルファーを増やし、継続してプレーをしてもらうための大きな切り札となる。ティーチングプロ女子選手権の開催は、それをアピールする絶好の機会となるはずだ。
(文・小川淳子)