かねて売却先を模索中だったKPSキャピタルパートナーズ(以下KPS)が保有するテーラーメイド社を、韓国のプライベート企業のセントロイド・インベストメント・パートナーズが買収することになった。米ゴルフウィーク誌などの米メディアが伝えている。

売却金額などは非公開だが、ニューヨークタイム誌は2月に「KPSが“20億ドル”(約2200億円)を売値に設定している」などと報じている。セントロイド・インベストメント・パートナーズは2015年に設立された韓国に本部をもつ非上場のプライベートカンパニーで、韓国内で戦略的な買収を続けている。サウススプリングスCCもその1つだ。
KPSは17年5月に、当時の親会社、ドイツのアディダス社からテーラーメイドを購入。その金額は4億2500万ドル(当時のレートで約476億円)だった。その後アディダス社はゴルフ用具から撤退し、ウエアとシューズに専念。
KPSはモーガンスタンレーを通じてテーラーメイド社の買い手を探していた。
新型コロナウイルス感染拡大による屋外スポーツのゴルフ人気上昇に伴い、テーラーメイド社の昨年の売り上げは2億8100万ドルで19年より10%以上増加していた。
セントロイド・インベストメント・パートナーズの創設者でCEOを務めるチョン・ジンヒョク氏は「テーラーメイド・ゴルフは弊社にとって大きな変革となる」とコメントを発表。そして「世界のゴルフをリードする企業に投資する機会を得てとても光栄に思う。韓国だけでなくアジアマーケットにおいても中心となる。今後も現テーラーメイドのCEO、デービット・エーベレス氏とすばらしいマネジメントチームとともに発展していきたい」と続けた。

カリフォルニア州カールズバッドに本社を置くテーラーメイド社は現在、タイガー・ウッズ、ダスティン・ジョンソン、ローリー・マキロイら多くのトッププロと契約を結ぶトップブランド。「この変革は我々にとって大きな達成。今後も我々のブランドを世界中で伸ばして行きたい」とエーベレス氏もコメントしている。(文・武川玲子=米国在住)