
「中古商品」の購買行動に関する調査
■Z世代は実店舗に加え、オンラインショップや中古購入も活用
まず、過去に購入したことがある商品カテゴリと、そのときに利用した購入チャネルについて質問。その結果、世代別に購入チャネルの傾向を見ると、Z世代は「実店舗(新品)」の利用がもっとも多いという点では他世代と同様の傾向を示しつつも、オンラインショップや中古も柔軟に併用しているのが特徴となった。
たとえば、洋服では「実店舗(新品)」が74.3%、「オンラインショップ(新品)」が59.4%、「フリマアプリ」が21.3%と、いずれも高い数値を示しつつ、それぞれの差が他の世代よりも少ない結果に。
特に、「本・マンガ・雑誌」や「推しグッズ」のカテゴリでは中古チャネルを積極的に活用している様子が見て取れる。


■Z世代はカテゴリごとに新品と中古を使い分ける
上記に関連して、新品と中古の買い分けにはどんな基準があるのかを質問。その結果、Z世代は、「商品カテゴリで使い分けている」(16.6%)が他世代より圧倒的に高く、アイテムに応じて新品・中古を使い分ける傾向が見られた。
X世代は52.7%が「新品派」と明確に決めている人が多く、安心・信頼を重視する保守的スタンス。Y世代は「特に意識していない/新品・中古どちらでも構わないと思っている」が19.0%と多く、ここでも中間的なスタンスが特徴的となった。

■Z世代の3~4人に1人が中古品の購入経験がある
続いて、カテゴリごとに中古で購入することに対する抵抗感について調査。世代別に見ると、先の質問でカテゴリごとに新品・中古を使い分けると答えたZ世代はもっとも中古に対する抵抗が少なく、購入経験も豊富であることがわかった。
たとえば、「推しグッズ」では「抵抗はなく、購入経験もある」が24.0%と、X世代(12.1%)・Y世代(13.3%)を大きく上回り。推し活は中古市場と親和性が高いカテゴリの可能性がうかがえた。
中古で購入することに対する抵抗感(推しグッズ)さらに、「本・マンガ・雑誌」では35.6%(X世代46.2%)、「洋服」では24.5%と、これらも高い数値を示している。
上記からも、Z世代はカテゴリによっては3~4人に1人が中古品の購入経験があり、かつ抵抗もないと回答しており、中古品を前向きに活用している姿勢がうかがえる結果となった。
【左】中古で購入することに対する抵抗感(本・マンガ・雑誌)
【右】中古で購入することに対する抵抗感(洋服)Y世代はZ世代とX世代の中間層で、「抵抗はないが購入経験はない」という回答が比較的多く、潜在的な需要を持つ層であることが判明。
たとえば、中古品カテゴリとして「アクセサリー」では21.0%、「家電・ガジェット」では17.1%が「抵抗はないが購入経験はない」と回答しており、興味や理解はあるものの、行動には至っていない“潜在層”と考えられる。
【左】中古で購入することに対する抵抗感(アクセサリー・ジュエリー)
【右】中古で購入することに対する抵抗感(家電・ガジェット)X世代は全体的に中古に対して慎重で、「抵抗があり、購入したこともない」が最多となるカテゴリが多く、新品志向が根強いことが見て取れた。
特に「コスメ・スキンケア」では74.7%、「アクセサリー」では61.5%、「バッグ・財布」では58.2%が「抵抗があり、購入したこともない」と回答しており、中古品への心理的ハードルが高いことが明らかに。
【左】中古で購入することに対する抵抗感(コスメ・スキンケア)
【右】中古で購入することに対する抵抗感(バッグ・財布)
■中古品を購入する際に重視するポイントは「安心+見た目」
また、中古を購入する際に価格以外で重視するポイントを質問。まず、Z世代は中古商品購入時に「出品者の信頼性」(34.9%)や「写真・説明のセンス」(27.2%)を重視しており、安全性と感性の両立が重要な判断基準となっていることがわかった。
一方、X世代は「ブランド信頼」や「希少性」に強く反応し、価値基準に基づく保守的な選好が目立つのに対し、Y世代は「使用歴」や「安心感」など合理的な視点が中心となっている。

調査結果を受け同社は、Z世代にとって中古品は「妥協」ではなく、「お試し」や「センスある選択肢」として捉えられている可能性があると考察している。

調査主体:僕と私と
調査対象:直近半年で対象商品(Q1参照)を購入した経験のある全国のZ世代(15~28歳)・Y世代(29~45歳)・X世代(46~60歳)
調査期間:2025年4月30~5月2日
調査方法:インターネットを利用したアンケート
調査有効回答数:500名(Z世代404名・Y世代105名・X世代404名)
<参考>
僕と私と『Z世代/Y世代/X世代に聞いた!「中古商品」の購買行動に関する実態』