「垣花正 あなたとハッピー!」(8月29日放送)に経済アナリストの森永卓郎が出演。「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」の成功に関連した消費の移り変わりについて解説した。
USJのヘンザップ・サマー・フェスティバル
先日、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンへ行ってきましたが、物凄く混んでいるのですよ。アトラクションに行かなくても大興奮でした。夏場だけなのですが、「ヘンザップ・サマー・フェスティバル」をやっています。これは、基本的に水鉄砲で水を掛け合うだけと言えばそれだけなのです。パレードが来て、キャストたちが止まる場所というのがあるのですが、止まるといきなり巨大な水鉄砲を持って、お客さんたちを水鉄砲で撃ち始めるのです。子どもたちは、パーク内でも大型の水鉄砲が売っているので、それを買ってきて反撃をするのです。
「ヘンザップ」というのが、恐らく「ハンズアップ」です。つまり「手を挙げろ!」と。手を挙げると、水鉄砲で撃たれちゃうという。それだけなのですが、この暑い炎天下のなかで、水鉄砲で水を浴びると凄く気持ちが良いのです。いい気分でしたね。
お金のなかったUSJ~お金のかからないサービスを売りに
USJは昔から、この手のことでお客さんを集めてきました。
そこで、森岡さんという人が入ってきて、彼のアイデアで、夜スタッフに化粧をさせてゾンビにしたのです。ゾンビにしてお客さんを追いかけまわすという鬼ごっこです。お金は全然かからないのですけれど、夜ゾンビに追いかけられるとけっこう怖いのですよ。それがSNSで一気に広がって、客が増え始めたのです。その後、ジェットコースターを逆向きに走らせて背中から落ちるようにした。これも1円もお金がかかっていない。
いまも大繫盛のUSJですが、イズムは一緒です。水を掛け合うというのも鬼ごっこと同じ発想です。

「時消費」とは?~時代とともに、消費のウエイトが変化している
博報堂生活総合研究所というところが昨年から「時消費」というのを言い出しました。
私たち旧世代は、物消費なのですよ。
更にその消費構造の変化がもう一段階進んだのが「時消費」。これが何かというと、「その時でしか味わえない非再現性」で、皆が参加するコミュニケーションを楽しむ。
例えばサッカーのワールドカップで日本代表が勝った時に、皆渋谷のスクランブルに集まるじゃないですか。
沖縄で、引退の前日に安室奈美恵さんの最後のコンサートあるようですが、それこそまさに「時消費」です。
このように消費のパターンが変わってきたというのが、まさにこの「ヘンザップ・サマー」に集約しているのです。
垣花正 あなたとハッピー!
FM93AM1242 ニッポン放送 月-金 8:00-11:30