ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(2月12日放送)に内閣官房参与で外交評論家の宮家邦彦が出演。2月6日に亡くなったアメリカのジョージ・シュルツ元国務長官について解説した。
FILES-US-DIPLOMACY-ECONOMY-SHULTZ=2000年2月29日 AFP=時事 写真提供:時事通信
アメリカの元国務長官ジョージ・シュルツ氏が死去
アメリカのレーガン政権で国務長官を務め、東西冷戦の終結に向け重要な役割を果たしたジョージ・シュルツ氏が2月6日に亡くなった。100歳だった。
飯田)政界引退後は、2000年の大統領選挙で当選したブッシュ・ジュニア候補の外部顧問を務めた他、2007年にはキッシンジャー元国務長官らと一緒に「核兵器なき世界」の実現を提唱し、オバマ元大統領の核政策にも影響を与えたと言われています。“てっちゃん”さん、川崎市の方からのメールです。「レーガン大統領のときの国務長官で、強いアメリカを演出されていた印象です。ロン・ヤスと言われた日米関係がよかった時代、懐かしいですね」といただきました。
宮家)本当にその通りで、ロン・ヤスの下で「安倍・シュルツ」というものがありました。
飯田)安倍晋三前総理のお父さんですね。
プレス・リマークスを個別に発表したレーガン米大統領と中曽根康弘首相=1983年11月10日、東京・首相官邸 写真提供:産経新聞社
共和党の黄金時代を支えた
宮家)シュルツさんはプリンストン大学を出て、戦争に行って、マサチューセッツ工科大学(MIT)で博士号を取って、そして財務長官、労働長官、国務長官といろいろな要職を歴任しています。古きよき共和党の黄金時代を支えた人です。あの時代の共和党は、レーガンさんになって民主党を支持していた保守層がすべてレーガンさんの下に結集して、私は「アメリカの保守合同」と言っているのですが、保守が健全で強かった時代です。
飯田)経歴を見ると、アイゼンハワー政権のときの、経済諮問委員会の委員に就任しています。
宮家)シュルツさんは経済もできるのです。バイデン大統領も声明を出しています。
いまの米中関係をどう見ていたのだろう
飯田)いまの米中の、人によっては新冷戦と言うような関係をどうご覧になっていたのでしょう。
宮家)それは知りたかったですね。トランプ政権のやり方は、必ずしもいいとは思っていなかったのではないかと思います。
飯田)同じ単独主義でも、ブッシュ・ジュニアの時代に、いわゆるネオコンと呼ばれた単独行動主義がありましたが、あれとはやはり違ったと。
宮家)まるで違うでしょうね。シュルツさんの時代は、ソ連との核競争があって、核戦争が始まるかもしれないという恐怖があったのです。ですから、アメリカにはやる力はあったかも知れませんが、決して強引にやることはなかった。
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