筑波大学名誉教授の中村逸郎が12月26日(月)、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』に出演。ウクライナ情勢の今後の見通しについて言及し、ゼレンスキー大統領の訪米で、ロシアとの交渉は「ほとんど無理」な状況になりつつあると語った。
U.S. President Joe Biden welcomes Ukrainian President Volodymyr Zelenskyy on the South Lawn of the White House in Washington on December 21, 2022. Photo by Yuri Gripas/ABACAPRESS.COM 2022年12月21日 Gripas Yuri/ABACA/共同通信イメージズ
中村は、今月21日にウクライナのゼレンスキー大統領が訪米したことが「決定的だった」と指摘。アメリカのバイデン大統領と会談し、議会で演説したことで「もうヒーローですよね。ヒーローになったので、逆に今度はプーチンから『おい、交渉しようよ。交渉しようよ』って言いだした。だが、交渉というのはどちらもお互いにある程度妥協しあわないと話し合いにならない。でも、かたやヒーローになったものだから、ゼレンスキー大統領はこれでプーチン大統領と交渉することは、もうほとんど無理だと思う」と言及。辛坊も、ゼレンスキー大統領に対する国内外からの期待はさらに高まったとし、現在、東南部4州の大半をロシアに制圧されている状況のなかで「ここでいったん線引き」というわけにはいかないだろうと推測した。
ゼレンスキー大統領は今年5月、メディアへのインタビューで「領土を、ロシア軍が侵攻する2月24日以前の状態に戻したうえで交渉のテーブルにつく」と答えていたが、中村は「これでクリミアもロシアの領土だと認めることもできないし、4州プラスクリミアも取り返さないといけない状況にどんどんどんどん……」と侵攻初期に比べて泥沼化している現状を嘆いた。
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