ニッポン放送で毎週木曜日の夜8時からお送りしている『NEXT STAGEへの提言』。
この番組は、日本を代表する各界の著名人が毎週登場。
森田耕次アナウンサー、富野由悠季
12月19日(木)の放送では、アニメーション映画監督の富野由悠季が出演。1941年・昭和16年、神奈川県の小田原市の出身。日本大学芸術学部映画学科卒業した後、虫プロダクションに入社し『鉄腕アトム』などの演出を担当。その後、フリーに転身し、『機動戦士ガンダム』『伝説巨神イデオン』『聖戦士ダンバイン』劇場版アニメ『ガンダム Gのレコンギスタ』など数々の作品を手掛ける。
本題へ入る前に、富野のファッションの話題に。その日は、黒のキャップ姿で登場した富野。ファッションのこだわりを語った。
富野:僕自身、こういう立場でテレビやアニメで、言ってしまえば名を成した立場だったので、人前に出る時のファッションというのは、ガンダムを始める前から気をつけてました。そういう意味で、人前に出るファッションを心がけているアニメ関係者というのは、全く持ってなし。(アニメーション関係者は)自分たちがある意味、謙虚なんですね。
人前に出ることを意識するようになったのは、いつからなのか。
富野:人前に出るということの、僕にとっての原風景になっているのが美空ひばりさん。子供の頃に人前に出て歌を歌うときにちゃんとリボンをつけて。小学校6年生とか中1ぐらいになっても、スカートを履いて歌ってみて見せるっていう。
機動戦士ガンダムの主人公・アムロについても語った。
富野:(アニメは)子供に見せるものなんだから、主人公が子供でなくちゃいけないっていう言い方があるんだけれども、この言い方が半分嘘なんです。太平洋戦争の末期、少年兵がいるという存在は十分知ってました。戦車兵の養成として16歳になったら、養成学校に行けるとか、それから海軍の場合、戦争末期には戦艦大和にも少年兵が乗せられてたということも知ってました。
最後に、次の世代への提言を伺った。
富野:「鷲掴みでわかれ」ということ。この場合の「わかる」というのは、自分の体で再現することができるということ。これができないと、作り続けるという習慣性ができない。鷲掴みで分かった上で、作り続けるということは、忍耐力がいる。一般教養論的な意味でいう、教養論でいう訓示みたいなことは、僕の場合、喋れない。だからわかってくれとしか言いようがない。ひどい言い方をすると、僕はガンダムしか作れなかった。
この番組は、radikoのタイムフリー機能で、放送1週間後まで聴くことができる。また、来週12月26日(木)のこの番組は、北島三郎が登場する。