昭和や平成のころのように、合コンやリアルパーティーで知り合う仲とどう違うのか、思いをはせたことはありませんか。
■マチアプ婚が現代の標準に
「マッチングアプリで出会って結婚したけど、いま1つ噛み合わない」
夫婦仲相談所を運営する筆者が耳にするこの相談は、珍しいものではありません。
国立社会保障・人口問題研究所の調査では、2018年7月~2021年6月に結婚した夫婦の13.6%がSNSやマッチングアプリなどのインターネットサービス経由で相手と知り合ったとされています。
また、リクルートブライダル総研の「婚活実態調査2024」では、2023年婚姻者のうち婚活サービス経由の結婚が15.3%、そのうちネット系婚活サービス経由が11.4%(過去最高)と報告されています。
つまり“マッチングアプリ婚(マチアプ婚)”は、もはや特殊婚ではなく現代の標準婚の1つ。もちろん、うまくいく夫婦と早い段階でこじれる夫婦がいるのも当たり前です。
差が出るのは「出会い方」より、結婚後の二人の思いやりと実生活の回し方です。 今回はDINKS(子どもを持たない共働き)夫婦の“つまずきポイント”を2つご紹介します。
■マチアプ婚がこじれやすい夫婦に共通する「落とし穴」
相談現場でよく見るのは、次の3つです。
・“確認できたつもり”の差
アプリはプロフィールで条件が見える分、「話し合った(つもり)」「知っている(つもり)」になりやすい傾向があります。しかし、実際の生活は、金銭感覚や疲れているときの態度、感謝の少なさ、ケンカの収束のさせ方など、さまざまな状況で「つもりの差」が出ます。
・“逃げ”が早い(ブロック文化が夫婦に持ち込まれる)
アプリは合わなければ切り替えが容易。人差し指で「この人ないわー」「はい、次」「次のページ、もっといいの出てくるかも」と無限スクロールできる仕組みです。
ですが、この“無限スクロール感”が結婚後にまで残るととんでもないことに。話し合いが「修復」ではなく、「撤退したい」「チェンジしたい」感覚になります。
・共通の知人・共通の空気が少ない
DINKSは特に、子ども関連のつながりがない分、家庭が“二人だけの密室”になりやすい点も要注意です。良くも悪くも、外の緩衝材が少ないのです。
■事例1:「家計を管理したい」夫と「不安を隠す」妻
ミサキさん(38歳)は飲料会社の派遣社員。マッチングアプリで出会った夫(40代前半・正社員)と交際10カ月で結婚し、子どもはいません。
交際中は、価値観が合っていると思いこんでいました。近場旅行好き、格安居酒屋好き、浪費はせず楽しく遊べる。アプリの紹介欄のとおりで安心していました。
ところが結婚後、ミサキさんが転職を迷い始めたころから空気が変わります。派遣社員には契約更新の不安がつきもの。
「今月、食費が2万600円多い。何に使った?」
「サブスク、これいる? 削ろうよ」
夫の言っていることは正しい。でも、ミサキさんには“詰問”に聞こえました。
ある日、ミサキさんのクレジット明細から、結婚前に購入した家具を分割払いしていることが発覚します。金額は大きくありません。けれど夫は顔色を変えました。
「俺に言わなかったのは、なぜ? 内緒にしてたのが気に入らない」
ミサキさんは「借金するやつと思われて嫌われたくなかった。あなたはお金の管理がしっかりしてるから、私のことをだらしないと思うでしょ」と言いました。夫は「僕のこと信頼してないってことだよね」と黙り込み、そこから会話が少なくなっていきました。
ミサキさんは夫に職探しのことも言えなくなってしまいました。
この夫婦のズレは、「お金」「転職」そのものではありません。
ミサキさんは“波風立てたくない”、夫は“信頼のもと全て把握したい”。双方の思いが、ぶつかる形で出てきました。
私がミサキさんに提案したのは、次の3つでした。
・ 家計を「夫一人経理」から「二人経理」に戻す
月1回30分、責めないルールで「出費見直し」をする。
・不安の言語化を“数字”に落とす
転職の悩み、契約更新の不安は、感情だけだと伝わりにくい。収入見込みと支出を書いて共有する。子どものことも含め、将来これだけ必要になることも踏まえる。
・“話す順番”を決める
いきなり明細チェックではなく、先に「今、何か不安ある? 二人で解決しよう!」から入る。
このあとミサキさんが変わったのは、「隠さない」ことだけではありません。
“嫌われたくない”を卒業して、「一緒に現実を見たい」と言えたこと。
■事例2:削除していないだけでなく、別のアプリまでDLしてる?
吾郎さん(42歳)は老人ホームの事務職。妻(30代後半)は大型家電店の人事職。互いに忙しい職種で共働き、子どもはいません。二人はアプリで出会い、交際半年でスピード婚しました。
結婚後しばらくは平和でしたが、年度末の繁忙期から歯車が狂い始めます。妻は残業続きだったため、吾郎さんは夜勤がない日は早く帰って夕食を用意することに。妻は休日に掃除、洗濯などの家事を8割程度担当していたので、助け合いができていると思って安心していました。
ところが、妻がふと吾郎さんのスマホ画面を見たとき、アプリの通知が出たのです。
妻は固まりました。画面を探すと、別のマッチングアプリまで出てくるではありませんか。
「入れっぱなしにしてただけ。冷やかしで見るだけだよ」
ですが、この「見るだけ」が、夫婦にとって最悪の言い訳になることがあります。
妻からすると、“乗り換え可能な世界”を家に持ち込まれた感覚です。「うちらは子どもを育てているわけではない、離婚もたやすいと思ってる?」という感情が芽生えました。その日からは、妻は詰め寄り、吾郎さんは逃げる日々です。
「アプリくらいで疑われるのはしんどいよ」と吾郎さんが言えば、「あと3人の女性とゴハン行って、その中から新しい彼女見つけたいと考えてるんでしょ」と皮肉で返す妻。吾郎さんは別部屋に逃げ込みます。
夫婦ゲンカが、アプリでいう“撤退トーク”になる。ここが危険です。
このケースで必要なのは、反省のセリフではなく行動の見直しです。
・アプリ・SNSの境界線を夫婦で合意する
削除する/再登録しない/異性とDMする場合の線引き。
・“ケンカの仕方”を決める
冷却時間、話し合いの時間、言ってはいけない言葉(離婚・別居・もう無理など)。
・応援団を作る
友人に紹介する、夫婦で共通のコミュニティーを持つ。家の外に“目”と“空気”を作る。
吾郎さんは「消せば済むと思っていた」と言います。でも、妻が欲しかったのは、“削除”ではなく二人の信頼だったのです。結婚式で「永遠の愛」を誓ったのですから。
■うまくいかない理由は「出会い方」ではなく「修復スキル不足」
マチアプ婚が増えているのは、統計からも明らかです。 増えたからこそ、課題も表面化します。うまくいかない夫婦は、
・話し合いが「ジャッジ」になっている
・ケンカが「撤退」になっている
・「もっと自分に合う人がいるかも」というループ思考のクセが抜けきれていない
ここを肝に叩き込んでおけば、マチアプ婚は“合理的で強い結婚”になります。
恋愛の勢いではなく、互いの思いやり、信じる力、納得ゆくルールで結婚を長持ちさせてゆこうではありませんか!
マチアプ婚でうまくいってるカップルに「コツ」を聞くのもありです。私もいつか「マチアプ婚カップル座談会」なるものを開催しようとしています。あまりにマチアプ夫婦が増えたので、“シン・結婚スタイルの傾向と不協対策”を熟考したいと考えています。
<参考>
・「第16回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」(国立社会保障・人口問題研究所)
・「婚活実態調査2024」(リクルートブライダル総研)









![日清食品 ラーメン山岡家 醤油ラーメン [濃厚豚骨スープの旨みが広がる] カップ麺 117g ×12個](https://m.media-amazon.com/images/I/51YlvYcaKyL._SL500_.jpg)

