■Q:昭和38年生まれで60歳以降も厚生年金を払っています。未納だった国民年金の不足分には充てられないのですか?
「昭和38年生まれで高校の実習助手として働いています。国民年金は60歳で480カ月になると聞いていますが、若い頃に1年ほど未納期間がありました。60歳以降も厚生年金保険料を払っているのに、その期間を不足分に充てられないのでしょうか? なんだか二重に取られているように感じます」(だいずさん)
■A:60歳以降に支払った厚生年金保険料は、国民年金の未納期間を自動的に埋める仕組みにはなっていません
だいずさんが感じているように、「60歳以降も厚生年金保険料を払っているのだから、未納だった国民年金の不足分に充ててほしい」と思う方は少なくありません。
ただ、老齢基礎年金は、原則として20歳から60歳までの40年間(480カ月)の加入期間で計算される仕組みです。そのため、60歳以降に厚生年金へ加入して働いた期間は、老齢基礎年金の加入月数には加算されません。
つまり、若い頃に1年ほど未納期間があった場合、その不足分が60歳以降の厚生年金加入によって自動的に埋められるわけではありません。
そのため、老齢基礎年金は、未納期間がある分だけ満額より少なくなります。
一方で、60歳以降も厚生年金に加入して働いた場合、その保険料がまったく無駄になるわけではありません。未納期間がある人が60歳以降も厚生年金に加入すると、「経過的加算」という形で、老齢厚生年金に一定額が上乗せされる仕組みがあります。
これは、60歳以降の厚生年金加入期間を考慮して、老齢基礎年金の不足分を一定程度補うための制度です。老齢基礎年金の満額1年分そのものが補てんされるわけではありませんが、その分、年金額が増える仕組みになっています。
また、経過的加算については、特別な申請をしなくても、65歳から老齢年金を受け取る際に自動的に反映されます。
なお、国民年金の未納期間を埋めて老齢基礎年金を満額に近づけたい場合は、60歳以降65歳までの間で「任意加入」ができるケースもあります(厚生年金に加入している場合は、任意加入はできません)。
実際の加入状況によって受給額は変わりますので、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認したり、年金事務所で試算してもらったりすると安心です。
文:酒井 富士子(経済ジャーナリスト)
「日経ウーマン」「日経マネー」副編集長歴任後、リクルートに転職し、定年あるじゃん、あるじゃん投資BOOK等の立ち上げ・編集に関わる。2006年にお金専門の制作プロダクション「回遊舎」を創業。「ポイ活」の専門家としても情報発信を行う。
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