老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。
そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、基礎疾患がある場合でも、老後に向けて加入できる保険があるのかについての質問です。

■Q:40代男性、基礎疾患がいくつかあります。病気があっても老後に向けて入れる保険はありますか?
「現在40代です。基礎疾患がいくつかあり、通院や服薬もしています。今後、年齢を重ねると病気が増えるかもしれず、老後の医療費や生活費が心配です。持病があっても入れる保険はありますか? 今のうちに何か準備しておいたほうがいいでしょうか?」(匿名希望・40代男性)

■A:持病があっても加入できる保険はあります。ただし、老後に向けては「保険に入ること」だけでなく、老後資金を残すことも考えましょう
基礎疾患があるからといって、全ての保険に加入できないわけではありません。病気の種類や治療状況などによっては、一般的な医療保険や生命保険に加入できる場合があります。

一般的な保険への加入が難しい場合には、健康状態に関する告知項目を少なくした「引受基準緩和型保険」や、健康状態の告知や医師の診査を必要としない「無選択型保険」などもあります。

ただし、こうした保険は一般的な保険より保険料が割高になる傾向があります。相談者は現在40代ですので、老後まで長期間にわたって保険料を払い続ける可能性もあります。


日本には公的医療保険があり、医療費が高額になった場合には、高額療養費制度によって1カ月当たりの自己負担に上限が設けられています。

まずは公的な保障でどこまでカバーできるのかを確認し、不足すると考えられる部分を民間保険や貯蓄で補うとよいでしょう。

老後が心配だからと高額な保険に加入し、毎月の保険料によって老後資金を貯められなくなってしまっては本末転倒です。

また、老後資金を準備する方法は保険だけではありません。預貯金のほか、個人年金保険、iDeCo、NISAなども選択肢になります。個人年金保険には健康状態の告知が不要な商品もあり、iDeCoやNISA、預貯金は健康状態にかかわらず利用できます。

40代では、老後の医療費だけでなく、病気などで働けなくなった場合の収入減についても確認しておきましょう。会社員など健康保険の被保険者で一定の要件を満たせば、傷病手当金を受け取れる場合があります。

相談者の場合も、「持病があるから入れる保険には入っておこう」と考えるのではなく、現在の公的保障や加入している保険を確認したうえで、不足する保障を民間保険で補いながら、老後のためのお金も準備していくことが大切です。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。

編集部おすすめ