バレーボール ▽男子アジア選手権準決勝 日本3―0イラン(13日・北九州市立総合体育館)

 日本はイランを3―0で下して優勝し、2028年ロサンゼルス五輪出場権を獲得した。これで日本は「黄金の2年間」を手に入れたことになる。

 日本の、この時期での五輪切符は、大きなアドバンテージだ。今回出場権を取ることができなければ、来年のW杯(世界選手権から改称)もしくは、2028年のネーションズリーグ1次リーグまで、常に全力で五輪出場権を目指さなければならなかった。それが、五輪本番まで約2年間を自由に使えるようになった。若手などを思い切って起用できる。弱点強化のために時間を割ける。様々な戦略を試す…。まさに「黄金の2年間」になるのだ。

 日本協会関係者によると、ティリ監督は常にベストメンバーで試合に臨む主義だという。今季もネーションズリーグ(NL)1次リーグは、開幕から全開状態だった。同リーグを12戦全勝で勝ち抜き、準々決勝の中国戦も勝利したものの、準決勝、3位決定戦で敗退。尻すぼみの結果となった。「もう少し、1次リーグの最初の方は、いろんな選手を使ってほしかった」と話す関係者もいた。

 私も同意見だ。NLには出場していた甲斐優斗(大阪B)は今大会、メンバーから外れた。NLでは、リリーフサーバーや2枚替えでの起用が多かった。大塚達宣(ミラノ)、富田将馬(大阪B)もスタメンで使われる機会は少なかった。これらの選手や若手の場数を増やすために、NLの前半戦くらいは、先発でフルに出場させた方が、どれだけ外国チームとやれるのかを見ることができるし、選手側は経験を積むことができる。少ない出場機会では力を発揮するのは難しい。

 今挙げた3人はすべて、アウトサイド。石川祐希主将(ジラート)、高橋藍(ルブリン)とポジションがかぶる。この2人は不動のエースで、計算もできる。体調を見ながら、NLも後半から出場でいいのではないか。

 特に、石川だ。今季のNLでは決勝トーナメント直前に、ウェートトレ中に首を痛めた。

23年のパリ五輪予選は腰痛を抱えながら臨まなければならなかった。192センチで外国勢に比べると、大きくはない。中大時代から、イタリアに渡り、世界最高峰のセリエAでプレーしてきた。その第一線で活躍するために、ストイックに体調を管理し、200センチを超える外国選手と対抗するために、過酷なトレーニングを積んできた。長年の疲労の蓄積などで故障も起こりやすくなっているはずだ。現在の日本代表は石川を軸としたチームだ。石川なくして、チームは成り立たない。だから、ティリ監督は、今後は状態を見て、起用を考えてほしい。

 セッターは、今大会は36歳の深津英臣(名古屋)のキャリアを生かしたトスワークで乗り切ったが、さらに層を厚くするためには、東京、パリ両五輪代表の関田誠大(サントリー)の復帰が望まれる。昨年は足の手術を行ったが、今季も日本代表での出場はなかった。バックアタックや速攻などを操る能力は抜群、日本代表には欠かせない司令塔だ。

 サーブの強化も必要だ。

NLを見たあるVリーグ関係者は「外国チームのサーブのフェーズが一段上がってきている。これまで強いサーブをそれほど打ってなかったチームも打つようになり、ミスも減ってきている。日本もレベルを上げないと対抗できなくなる」と指摘した。

 世界では、サーブをより重要視している。ミドルもセッターも強力に打つ選手が増えている。日本もポジションに関係なく強いサーブを打てるようにしないとならない。もしくは、緩急をつけた武器となるサーブを用意する必要がある。特に、20点以降のサーブミスは致命傷になることも肝に銘じたい。そのための準備を万全にし、メダルを目指したい。(久浦 真一)

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