この画像は、すばる望遠鏡が木星とそのリングを赤外線でとらえたものです。 IRCS(近赤外線分光撮像装置)という観測装置で撮影されました。

惑星のリングといえば土星が有名ですが、木星にもリングがあります。ただ土星とは違い、木星のリングは非常に淡くて暗いため、NASA(アメリカ航空宇宙局)の惑星探査機ボイジャー1号が1979年に木星へ接近するまで、木星のリングの存在は知られていませんでした。

土星のリングは主に氷粒子が集まってできていますが、木星のリングは主に塵でできています。画像は擬似カラーで、水の氷を観測するためのフィルターで得られた画像には青が割り当てられていますが、リングには青い成分がほとんどみられません。

画像右下には、木星の衛星テーベが見えています。長い露光時間(13分間)の間にテーベが移動したため線状に映っています。

ハワイ、マウナケア山頂にある日本の「すばる望遠鏡」は、1999年1月のファーストライト以来、2024年で25周年を迎えました。25周年を記念して、国立天文台は2024年4月から毎月2枚ずつ、すばる望遠鏡が撮影した天体画像を紹介しています。この木星画像は、アンドロメダ銀河の画像に続き、2024年4月に紹介された2枚目の画像です。

(参考記事)すばる望遠鏡がとらえたアンドロメダ銀河 すばる望遠鏡25周年

Image Credit: 国立天文台

(参照)国立天文台

大きな画像はオリジナルサイト(アストロピクス)をご覧ください。