「体を張る」のは芸人水道橋博士の原点だ!
水道橋博士 「雪山を人間サイコロで転がされ…」壮絶体当たり...の画像はこちら >>
 

 (たけし軍団は)なんと言ってもオレの原点ですからね。上下関係を徹底的にしこまれて、基本「体を張る」ということから始まったわけです。

今は「博士はリアクション芸とかバカにしているよね」みたいなことを言われますけど、そんなこと本当に絶対ありえないですね。

 もともと出川くんやダチョウ倶楽部なんかは、オレら軍団からしたら「親戚」みたいなものだから。彼らとはずーっとい頃から一緒に『お笑いウルトラクイズ』なんかをやってきた戦友ですよ。彼らが戦場の英雄になっているだけで。

 もともと自分が本当に喋れる芸人になれるとは思っていなくて、こんな対人恐怖症的な性格をしているヤツが、淺草のフランス座に入ったところで、本当に舞台の上で喋れるような人になるのかという不安の中で過ごしていました。 

 もちろんたけしさんに憧れて漫才を…というのもあるんだけど、いざ芸人として、オレがやりたかったのは、「田んぼ野球」とか「泥んこシンクロナイズドスイミング」とかだったんです。だから身を投じる気持ちで毎回、やってましたよ。

 本当はオレ、10代の頃、スキーが得意だったんだけど、たけし軍団に入門してから20年間雪山にスキーウェアとか持って行ったこととかないですもん。「明日、雪山ロケ行くぞ!」って言われたら、荷物は、海パンひとつだけなんです。それで裸になって雪山を泳いだり、人間サイコロに入れられて転がされたり(笑)。

「雪山人間サイコロ」と「キラー・カーンのアルバトラス殺法」

 最近の若い人は、博士はそういう泥臭い芸をやっていないって思っているかもしれないけど、もう散々やってきましたよ。わんこそばを食べているところを机の中に入っていたキラー・カーン(元プロレスラーであり元力士)が出てきて、突如、アルバトロス殺法でむちゃくちゃに傷めつけられるネタとかもありました。

 アンドレ(・ザ・ジャイアント)の骨を折った、195センチ140キロの巨体。その体重がかかったトップロープからのニードロップを俺が受けるんですよ(笑)。それと雪山の人間サイコロが同じ時期で、それで椎間板ヘルニアになって、スタジオで一歩も動けなくなって固まったまま救急車で病院運ばれてたこともある。

 それで、運ばれた病院で診断するのに「どうされました?」って聞かれて、「いや、人間サイコロに……」とか「キラー・カーンっていうモンゴルの辮髪の大男にアルバトラス殺法で、トップロープからニードロップを……」とか言うけど、先生はわからないんです(笑)。

 最終的にカルテにサイコロから飛び出す人とか、辮髪のレスラーの図解の絵が描いてあるっていう(笑)。だからオレは、たけし軍団の「傷痍軍人」なんです(笑)。

 腰痛がひどくなってドクターストップでやらなくなったんですけどね。若手の頃の最初の3、4年なんて、誰よりも先に戦場で一番槍志願でやっていましたよ。そういう体験って、この世界に入ったからこそ得られた体験だし、今も後悔も一切ないし、振り返ると、懐かしい、一生語れる笑い話ですね。

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