3人目は、G-SHOCKの「デザイン」を担うキーパーソンを直撃!
カシオ計算機
時計事業部 企画統轄部
デザイン企画部 第二デザイン室
小島健二さん
ーーG-SHOCKのデザインが世界において、独自性を確立した理由はなんでしょう。
小島 まず、デザインやコア技術において、独創性を持っていること。
ーーG-SHOCKのデザインコンセプトは、どうやって決めているのですか。
小島 ファッションからスポーツ、様々な市場やトレンド調査を徹底しています。
ーーそんなことまでやっているんですね。
小島 G-SHOCKのデザインチームは、とてもユニークな人たちが多く、個性やこだわりがとても強いんです。
ーー機能を追求すると、沢山の制約がありそうですが。
小島 デザインを考える上では、必ずしも既存技術や構造の制約が絶対ではありません。デザインから新しい構造が生まれ、構造特許を取得した例もあります。アイデアの段階では、あらゆる可能性は許容されているのです。もちろん、G-SHOCKらしさは失えません。極微細な部分で、けれども斬新なデザインを探して日々切磋琢磨しています」
ーーG-SHOCKデザイナーならではの悩みはありますか。
小島 G-SHOCKはタフなので、故障が原因の買い替えが少ないんです。
ーーこれまで失敗作も沢山ありましたか。
【My G-SHOCK Memory】 「マイベストデザインは自身が出がけた〈GA-800〉…と言いたいところですが、やはりオリジナルである〈DW-5000〉です。手を加えてみようと何度かトライしましたが、本当に完成された一本です」
小島 むしろ失敗作の方が多いのではないでしょうか。G-SHOCKはサンプルをとにかく沢山作りますから。
ーートンデモなアイデアが出たりしたことはありますか。
小島 話が脱線し続け、最終的には耐衝撃性構造を抜いたら、こんなデザインが生まれる…、なんて話になったこともあります(笑)。
ーー膨大なモデル数があるG-SHOCKですが、小島さんの中でのベストデザインはどのモデルですか。
小島 やはり5600系です。どこを見ても無駄がない、黄金比と言えるでしょう。これまでなんとかその壁を破ってやろうと、様々なアプローチで手を加えたのですが、やっぱり元のデザインを超えられません。マスタピースである5600系を超えるモデルを作ることが、G-SHOCKに関わるデザイナーの目標です。
ーーこれからG-SHOCKのデザインはどうなってゆくのでしょう。
小島 35周年という節目を迎えたG-SHOCK、止まる事のないタフネスデザインの進化により、ユーザーの皆様に更なる驚きが提供できるよう、 日々新たなデザインを追求し続けていきます。ご期待ください。