9日午後4時47分、ジャニーズ事務所社長のジャニー喜多川氏が都内の病院で、解離性脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血のため死去した。87歳だった。

ジャニー氏は1962年の事務所創業以来、数多くの人気タレントを育て上げ、日本の芸能界に男性アイドル界というジャンルをつくり、成長させてきた。そのため、所属タレントたちからの信頼も厚かった。

「ジャニタレでジャニーさんを嫌う人はいません。ジャニーさんの求心力で、事務所のパワーバランスが取れていた。副社長である姉のメリー(喜多川)さんやその娘の(藤島)ジュリー(景子)さんのことは好きでなくても、“ジャニーさんがいるから”との思いで事務所にとどまっていたタレントも少なくありません。ジュリーさんがマネジメントしているTOKIOやは別ですが、他のタレントの移籍は十分考えられる。事務所の再編が起こってもおかしくないですよ。その場合はいろんな大手事務所が引き受けたり、受け皿として新しい事務所が立ち上がる事態も想定されます」(テレビ局関係者)

 特に注目されるのは、3年前に解散したSMAPのメンバーだった中居正広木村拓哉の動向だろう。

「木村はSMAP解散騒動の時に、ジャニーさんやメリーさんへの恩義を感じて、ジャニーズに残留するといち早く表明した。中居はSMAP解散後、稲垣吾郎草なぎ剛香取慎吾とともに事務所を出ると見られていたが、結局今も事務所にいる。契約上すぐ動くことはできないが、残留していたのは“ジャニーさんがいるから”という理由が大きかったので、気持ちに変化が起こってもおかしくありません」(週刊誌記者)

 もし中居が決心すれば、木村も動くのか。

「木村は機を見るに敏なところがあり、どうすれば自分が世間から良く映るかを考える天才。

SMAPの解散騒動から今まで、自分が元メンバーのなかで一番損をしていると感じているでしょうし、再結成できるかどうかは自分次第ともわかっている。ソロよりもSMAPでいるほうがいいと、木村が一番わかっているはず。それを残りの4人が許すかどうか。すぐにはないでしょうけど、5人は30年近く同じ釜のメシを食ってきたわけですから、いずれ雪解けする日はくるでしょう」(同)

 ジャニーズ事務所に良いように扱われてきたテレビ局にも不満分子はたくさんいる。

「ジャニーズに対して良い印象を持っているスタッフばかりではありません。割りを食らったり、嫌な思いをしてきたスタッフはいます。それは他事務所の人間も同じです。だいたい1つの事務所が男性アイドル市場をずっと独占してきたのは異常。双方から今までのしっぺ返しをモロに受けて、ジャニーズは弱体化していくかもしれません」(前出テレビ局関係者)

 カリスマ不在となったジャニーズ事務所は、厳しい局面を迎えそうだ。

(文=編集部)

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