ビデオ監督・村西とおるの半生をドラマ化した『全裸監督』(全8話)が、8月8日からインターネット動画配信サービス・Netflixで配信開始され、大反響を呼んでいる。

 世界190カ国同時に配信された同ドラマは、かつて村西とともにビデオ作品制作に関わった本橋信宏氏の著書『全裸監督 村西とおる伝』(太田出版)が原作。

破天荒な村西役を熱演しているのは、実力と個性を兼ね備えた俳優・山田孝之だ。

 村西は、1980年代のバブル景気に沸く日本で、ビデオ業界に革命を起こした人物である。もともと務めていた会社が倒産し、妻の浮気で離婚した村西は、失意のなかでセールスマンなどを経験した後、荒井トシ(満島真之介)や川田研二(玉山鉄二)とともに「サファイア映像」を立ち上げる。さらに、厳格な家庭で育った女子大生・佐原恵美(森田望智)との運命的な出会いが、村西の人生を変えていく。ちなみに恵美はのちに「黒木香」として芸能界デビューを果たした。

『全裸監督』配信開始から8日後の8月16日には、早くもシーズン2の制作が発表されるなど、各所で絶賛されている。芸能界からも、以下のような声が続出している。

長澤まさみ

「今年一番の楽しみが始まる!! 題名に囚われるんじゃないっっ!! 人生って驚きの出来事の連続です!! これはもう、見るべき、見るべし、語るべし!! 」

秋山竜次(ロバート)

「裏の世界、そして演者の皆さまの体当たりな演技、全て凄すぎでした」

斎藤工

「余りに面白過ぎて一気に観てしまった。伝説の漢、村西とおる氏を通じ、今の日本の過度なコンプライアンスに対し、痛快なまでに本質を描いてくれている。終始高揚感が止まらなかった。日本の全てのドラマや映画は『全裸監督』に嫉妬し戦いを挑むべき。山田孝之、森田望智、皆最高」

 このほかにも、お笑いタレントの有吉弘行は、8月10日にTwitterで「全裸監督。

一気に全部観ちゃった」と報告。11日放送のラジオ番組『有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER』(JFN)では、恵美を演じた森田に向けて「ナイスです!」と、村西の有名なセリフで称賛。また、13日深夜放送の『爆笑問題カーボーイ』(TBSラジオ)では、爆笑問題・太田光が「(山田が)村西とおるに見えてくる」と、感心していた。ちなみに女性でもハマる人は多く、ベッキーも10日付のTwitterで「私も『全裸監督』昨日1日で一気み」と、ツイートしている。

テレビ業界でも話題に

 もちろん一般の人々の注目も集めており、特に村西役の山田と、恵美役の森田の演技力に衝撃が広まっている様子で、

「とにかく体当たりの演技」

「“本物の役者”って感じがした」

「山田孝之はさすがだし、森田って子は新人とは思えないほどのオーラ」

などと評価されている。一方、一部では「話題の作品だから少し見てみたけど、気持ち悪くて無理だった……」と拒否反応を示す感想もみられる。テレビ局関係者は語る。

「テレビ業界関係者の間でも話題になっているほど“業界内視聴率”が高く、普段ドラマを観る習慣のない人も取り込んでいるという印象です。通常、地上波キー局の連ドラ1話分の制作費は1000~2000万円ほどですが、『全裸監督』は1億円くらいかかっているといわれています。惜しみなくカネを使い、実力派俳優たちを多数起用し、脚本・演出・演技のすべてが素晴らしく、もやはドラマというよりは映画。地上波のドラマとはレベルが違い過ぎて、勝負になりません。

 一般の視聴者からは『もう地上波のドラマなんて観られない』という声も聞こえてきますが、テレビ界の人間ですらそう思っている人は多いでしょう。

近年、映画でも日本の独自性を押し出した作品が海外で賞を取るなどして話題になる傾向があるので、すでに海外でも配信されている『全裸監督』は世界的なヒットも期待できます。“10年に1本”の傑作であり、今後の日本ドラマ界を大きく転換させる、歴史的な作品といっていいでしょう」

『全裸監督』の快進撃は止まりそうにない。

(文=編集部)

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