今秋、連続テレビドラマ『時効警察』シリーズ(テレビ朝日系)が12年ぶりに復活した。2006年に『時効警察』、07年に『帰ってきた時効警察』が放送された同シリーズは、主演・オダギリジョーとヒロイン・麻生久美子の掛け合いが話題となり、人気を博した。
今年9月に『時効警察・復活スペシャル』が放送され、第3シリーズとなる『時効警察はじめました』が10月11日にスタート。初回の平均視聴率は7.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、深夜帯(毎週金曜23:15~0:15)にしては大健闘を見せた。
『時効警察』は刑事ドラマであり、コメディミステリ。総武署時効管理課を舞台に、時効が成立した未解決事件を趣味で捜査する警察官・霧山修一朗(オダギリ)と、同僚で“助手”を務める三日月しずか(麻生)が毎回、真相解明のために奔走するという内容だ。
オダギリと麻生をはじめとする主要なキャストは過去作と同役で出演している一方で、今シリーズからは吉岡里帆が新人刑事の彩雲真空役で出演している。「ガンバリマス!」が決めゼリフという役どころで、吉岡が刑事役を演じるのは初めてだ。しかし、その演技にネット上では「オーバーアクションで不自然。あざとい演技が目につく」「これじゃ独特の世界観がぶち壊し」「いらなくない?」「そういう役どころなんだろうけど、やる気はあるのに空回りしてる感がハンパない」といった声が噴出している。
「確かに、熱血系の役を演じる吉岡はドラマ内ですねる様子やふくれっ面を見せていますが、キャラ設定や演技の“温度”に関しては制作マターの面もあるので、吉岡ひとりを責めるのは筋違いでしょう。ただ、『時効警察』はメイン監督を務める三木聡の真骨頂ともいえるユルい笑い連発の“脱力系コメディ”であり、麻生久美子がコメディエンヌとしての才能を開花させた作品でもあります。オダギリジョーの演技力は言うまでもありませんが、脇を固めるのも、岩松了、ふせえり、江口のりこなどの芸達者が揃っており、ドラマ全体に独特のノリを生み出しています。
そんななか、過去にも演技を酷評されることの多かった吉岡の存在が『時効警察に合ってない』『場違い』と集中砲火を浴びており、早くも不要論まで飛び出しているのです。
9月に放送された『復活スペシャル』では、ゲスト出演した武田真治と菊地凛子がともにアクの強いキャラを好演し、「ハマってる」「よく馴染んでいた」と称賛されていただけに、新たにレギュラー入りした吉岡への非難が目立ってしまっているという事情もありそうだ。また、「吉岡のドラマ出演にまつわるイメージも関係しているのでは」と語るのはテレビ局関係者だ。
「昨年1月クールの『きみが心に棲みついた』(TBS系)で待望の連ドラ初主演を果たしましたが、全話平均視聴率7.7%という結果に。7月クールでも『健康で文化的な最低限度の生活』(フジテレビ系)で主演を務めたものの、同5.8%とさらに数字を落とし、『2連続で“爆死”』『そもそも演技が下手で感情移入できない』と厳しい意見が相次ぎました。
昨年10月公開の映画『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』(アスミック・エース)ではヒロインを務め、主題歌も熱唱しましたが、ほとんど話題にならず、興行的にも失敗とみられています。そんな吉岡が“鉄板”ともいえる人気ドラマに“乗っかった”ことに対するモヤモヤも、視聴者のなかにはあるのではないでしょうか」(テレビ局関係者)
今後は彩雲がフィーチャーされる回もあると思われるだけに、吉岡の演技がさらに注目を集めそうだ。
(文=編集部)