2018年大みそかに『NHK紅白歌合戦』初出場を果たしたばかりの音楽グループ・純烈。さらなる飛躍を期待された矢先にメンバー・友井雄亮のDV加害が発覚し、芸能界引退の道をたどることになった。
1月10日発売の「週刊文春」(文藝春秋)に掲載された“誓約書”により発覚した、友井のDV。そこに記された内容は凄惨なもので、交際相手の女性に過激な暴力を振るって頭・手首・太ももに大怪我を負わせていた。また、たび重なる浮気に暴言、妊娠・流産させて「逆によかったやん」と発したことなどが綴られている。
報道を受け11日に友井は会見を行い、女性とその家族に向けて謝罪。報道内容を認めた上で関係者に対しても頭を下げ、「純烈としてのスローガンに反する行為をしてしまったので、脱退して芸能界から身を退きます」と語った。
そんななか、友井ファンと思われるツイッターユーザーが、「友井雄亮 Comebackプロジェクト」と題されたアカウントを開設。3万人の署名を集めて嘆願書を作成することを目指すとしたが、ネット上では「DV男の復帰を願うなんて気持ち悪すぎる」「犯罪者相手に復帰の嘆願書って、自分でなに言ってるのか理解してるの?」「被害者の気持ちになりなよ!」などと批判が相次いだ。
一方、純烈の残りのメンバー4人は15日に会見し、リーダーの酒井一圭は友井の行動について「許されない」と断罪。「僕のなかでアイツは死にました。もう会うことはない」「皆が残すと言ったとしても、僕は絶対許さなかったと思う」と絶縁宣言した。また会見を前にして復帰プロジェクトのアカウントが閉鎖されており、酒井はプロジェクトに理解を示しつつ「『これは違う、仕方のないことだ』と冷静になったのだと思う」と語った。
純烈メンバーの会見に対して、ネット上には「リーダーは下手に友井をかばわずよく断罪したと思う」「長年苦楽を共にしてきたグループだから本当に辛いだろうね」「友井の引退は絶対に避けられなかったこと。
●傷害罪が成立か
そんななか、友井によるDVの被害者であるAさんが、15日放送のテレビ番組『情報ライブ ミヤネ屋』(日本テレビ系)内で取材に応じ、友井が11日の会見で「(暴力を振るう際に)物を使ったことはない」と語ったことに対して、「木製のハンガーが壊れるまで後頭部を殴られたりしたこともあった」と反論。さらに友井がAさんの流産とDVは無関係だと釈明した点についても、「強く手を引っ張り回され、引きずり回されて、次の日に流産した。それが原因だと思っている」と語った。また、Aさんの代理人弁護士は、友井の会見での発言内容について「事実とは異なる部分があり、ショックを受けている」とコメントした。
もしAさんの告発が事実であれば、友井の行為は犯罪に該当するのではないか。弁護士法人ALG&Associates執行役員・弁護士の山岸純氏は、次のように解説する。
「『木製ハンガーが壊れるまで、後頭部を殴打された』が事実であれば、当然、ケガを負わせているでしょうから、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金刑が科される『傷害罪』が成立します。ケガの程度はわかりませんが、示談が成立しているのであれば起訴される可能性は低くなります。これに対し、示談も成立しておらず、相当程度の重いケガが生じているのであれば、初犯であったとしても実刑(執行猶予なし)となる可能性もあります。なお、『流産した』点ですが、『健康な子供を産む女性の機能を害した(なんとも変な言い方ですが)』として、この点も傷害罪を構成する可能性があります。もちろん、この場合、量刑は重くなる(実刑の可能性もある)でしょう」
いずれにせよ、友井には4人で再スタートを切るグループを目に焼きつけてもらい、自身の過ちを猛省してほしい。
(文=編集部、協力=山岸純/弁護士法人ALG&Associates執行役員・弁護士)