NHK Eテレの人気番組『おかあさんといっしょ』で“よしお兄さん”の愛称で親しまれている小林よしひささんが卒業することが発表され、インターネット上では感謝や動揺の声が広がっている。

 小林さんは14年にわたって務めた「第11代体操のお兄さん」を3月末で卒業する。

第10代の佐藤弘道さんからバトンを引き継いで就任したのは、2005年4月のこと。14年という在任期間は、体操のお兄さんをはじめ番組出演者のなかでも歴代最長だ。また、身体表現のコーナー「パント!」のお姉さんを務める“りさお姉さん”こと上原りささんも、小林さんとともに卒業する。

 2月18日にNHKで行われた『おかあさんといっしょ』出演者交代発表会見で、小林さんは卒業を迎える心境について「やり切れたという、ホッとした気持ちがすごく強かった」と語った。また、14年におよぶ番組出演の苦労を聞かれると、「健康の維持とケガをしないこと」と回答。「代えのきかない職業であり、毎日のように何か必ず子どもの前に立つであったり、リハーサルというものがあったので」とした上で、インフルエンザにかかったこともあると告白し、「なぜか長期の休みに入った瞬間に風邪をひき、休みを棒に振っていました」と明かしている。

 長年の間親しまれた存在だけあって、2人の卒業が発表されると、ファンからは「子どもたちのアイドル的存在だったのでさびしい」「子どものことが本心から好きじゃないと続けられなかったはず」「よしお兄さんの就任時に幼稚園児だった我が子が今や高校生になっていることを考えると本当にすごい」「よしお兄さんとりさお姉さん、またいつの日かどこかで会いたいです」といった声があがっている。

 小林さんの後任となる第12代体操のお兄さんは、順天堂大学大学院を修了予定の福尾誠さんに決定。また、4月から新たに“体操のお姉さん”の就任が発表され、初代には新体操歴13年の経験を持つ秋元杏月さんが抜擢された。ネット上には「男女2人で体操をする体制はとてもいいことだと思う!」などと歓迎の声があがる一方で、「今まで“体操のお姉さん”がいなかったことに衝撃を受けてる」「りさお姉さんが体操のお姉さんだと思ってた」と驚きの声も。

 また、秋元さんは「年齢非公表」とされており、卒業する上原さんや現在の歌のお姉さんの小野あつこさんも同様に年齢を明かしていない。小林さんや福尾さんに関しても、一部の報道では年齢非公表とされている。
これについて、ネット上では「年齢非公表ってなんでかな」「逆に知りたくなる」「別に何歳だっていいと思うけど」と波紋が広がっている。

 また、小林さんが健康維持の大変さについて語っていたように、『おかあさんといっしょ』出演者はストイックな生活を強いられることで知られる。なかでも、たびたび話題になるのが「歌のお姉さんの掟」だ。

「歌のお姉さんもお兄さんも代役を立てられないことから、不慮のトラブルやケガを事前に防止するという意味で、海外旅行やスポーツ、クルマの運転も基本的には禁止されているといいます。お姉さんの場合、過度に派手なファッションやネイルは禁じられ、イメージを守るために『立ち食い』や『NHK以外のテレビ出演』もNG。また、事実上の恋愛禁止で就任中は妊娠や結婚も難しいでしょう。さまざまな制約が課されるという点では、アイドル以上の存在といえます。それぞれひとりしかおらず、子どもたちの規範となるべきという意味では、体操のお姉さんやお兄さんも同じでしょう」(テレビ局関係者)

 また、Eテレの顔ともいうべき存在になるだけに、そもそも就任すること自体が超狭き門なのだという。

「歌のお姉さんの倍率は600倍ともいわれています。体操のお兄さんらにも共通しますが、ルックスや歌唱力はもちろん、番組内ではさまざまなパフォーマンスを見せるので高い身体能力や演技力も必須です。また、通常の番組収録のほかに地方でのコンサートも多く、超ハードスケジュールをこなしていることがわかります。見た目以上に過酷な仕事であることは間違いないでしょう」(同)

 小林さんと上原さんは、番組卒業後も芸能活動を続けていくという。
新天地で活躍する姿を楽しみにしたい。
(文=編集部)

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