TBS系「火曜ドラマ」枠で1月クールに放送された深田恭子主演の連続テレビドラマ『初めて恋をした日に読む話』が3月19日に最終回を迎え、平均視聴率9.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録した。
初回8.6%でスタートした『はじこい』は、第2話で9.0%を獲得して以降、7~8%台を推移していたものの、最後に自己ベストを更新。
『はじこい』は、少女漫画雑誌「Cookie」(集英社)で漫画家・持田あき氏が連載中の人気原作を実写化したもの。深田が演じたのは、高校時代に東京大学を受験して不合格に終わり、その後の人生を惰性で生きてきた主人公・春見順子。仕事は三流予備校の講師、婚活もうまくいかないアラサー女性だ。
そんな順子と出会った“ピンク頭”の不良高校生・由利匡平(横浜流星)は、東大を目指すことを決意する。順子への思いを日に日に募らせていく匡平は、“講師と生徒”という関係にもどかしさを感じていた。前週第9話では、匡平がついに18歳の誕生日を迎え、あらためて順子に告白。しかし、東大の受験日当日、順子が事故に遭い意識不明になってしまう。
そうして迎えた最終回……。順子が運ばれた病院には、父・正(石丸謙二郎)と母・しのぶ(檀ふみ)、幼馴染の松岡美和(安達祐実)、そして、いとこの八雲雅志(永山絢斗)の姿が。第9話で順子にプロポーズしていた雅志は、大事な仕事を投げ出して駆けつけていた。
その後、意識が戻った順子は雅志にプロポーズの返事をする。答えは「好き」だけど「ごめんなさい」。雅志も薄々わかっていたようで、優しく受け止めていたが、彼を応援していたネットユーザーたちは「雅志がいいヤツすぎて泣ける」「私だったら絶対に雅志を選ぶのに!」「雅志~! やっぱり“いとこ”の壁がね……」「雅志をなぐさめてあげたい! 雅志なら必ず幸せになれるよ!」「ていうか雅志が幸せになってくれないと嫌だ!」とさまざまな感情を書き込んでいた。
「ということは、順子はユリユリを選ぶのか」と思われたが、やはり“年齢”の壁も高かった。結局、2人が再会したのは東大合格発表の日……。匡平は見事合格しており、順子に直接報告するも、順子はお互いの今後を思って“雅志と結婚する”と嘘をつく。この展開には、ネットユーザーも「おいおい、順子何言ってんだよ」「もうユリユリとくっつけよ! まだ引っ張るのかよ!」とイライラ。
だが、そんな視聴者の怒りを代弁してくれたのも雅志で、彼は順子の嘘を知ると「失礼だ」と叱ってくれた。
順子の結婚が嘘だったと知った匡平は、もう一度彼女に会いに行ったが、ここでも「さよなら」を選択してしまう2人。こうして視聴者は焦らしに焦らされたわけだが、最終的には順子が自分の気持ちに正直になり、東大まで匡平に会いに行く。そして、ようやく順子と匡平の“ハッピーエンド”を迎え、ネットユーザーも「めでたし、めでたし!」「東大で、みんなの前でキスとか恥ずかしいけど……ユリユリが報われて良かったよ!」「これで終わりなんてさびしい! 順子とユリユリの結婚式まで見せてほしい!」などと盛り上がっていた。
本当に毎週「みんなに幸せになってほしい!」と願わずにはいられないほど、愛にあふれたキャラクターばかりだった同ドラマ。そして、ベタベタの“少女漫画展開”も「それが良い」と思えたし、あらためて深田とこのような作品の相性の良さを実感した。現在、深田は実業家との熱愛が報じられているが、結婚したとしても、こうしたラブコメディのヒロインを演じ続けてもらいたい。
(文=美神サチコ/コラムニスト)