新年度を迎えた4月1日、NHKでは朝の連続テレビ小説『なつぞら』がスタート。アニメーションで描かれた色彩豊かなオープニングクレジットに、視聴者からさっそく大きな反響が巻き起こっている。



 記念すべき“朝ドラ100作目”となる『なつぞら』は、広瀬すず演じる戦争孤児の奥原なつがヒロイン。北海道・十勝を舞台に、生きる術を叩きこまれながら、やがてアニメーションの世界へ飛び込む姿が描かれていく。共演に吉沢亮藤木直人松嶋菜々子草刈正雄らを配し、語りに内村光良を起用するなど豪華布陣も放送前から話題を集めていた。

 オープニングアニメーションは、「ササユリ」と「東映アニメーション」による共同制作。「スタジオジブリ」在籍経験を持つ舘野仁美がアニメーション監修を担当した。スピッツの主題歌『優しいあの子』をBGMにスタートするアニメには、幼少期のなつとシカや子グマなど北海道の動物たちが登場。懐かしさを覚える手描きアニメが途中でセル画に切り替わり、成人のなつが描いていたという仕掛けが明かされる。やがて手描きのなつや動物たちがセル画から飛び出し、成人のなつと対面を果たすというストーリー仕立てだ。

 懐かしい手描きのタッチと躍動感溢れるアニメーションに、インターネット上では「朝から幸せな気分になれる」「フルアニメーションの朝ドラオープニングってすごく新鮮!」「まさかオープニングで泣かされるとは」「『優しいあの子』という曲とアニメがぴったりで、ずっと昔から記憶の片隅にあったみたいに心地良い」などと、高い評価が寄せられている。

 朝ドラのオープニングといえば、前作『まんぷく』でブーイングを浴びたのが記憶に新しい。『まんぷく』ではDREAMS COME TRUEの『あなたとトゥラッタッタ』をBGMに、安藤サクラの波打ち際の行進や、山中で枝をつきながら進む姿などをコミカルに描写。ところが、放送開始直後から「サクラさんは好きだけど、動きがイライラする」「見ていて恥ずかしい挙動の上にドリカムの主題歌もキツい」「オープニングの演技が大袈裟だし、ドリカムも何を歌っているのかよくわからない」と批判が相次ぐことになった。


 記念すべき朝ドラ100作目の『なつぞら』には、過去のヒロインたちが多数出演するなど、NHKがかなり力を入れている。そのオープニングが高い評価を得たことで、関係者はひとまず胸をなで下ろしているに違いない。今後のストーリー展開で勢いが失速しないよう、健闘を祈るばかりだ。
(文=編集部)

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