吉高由里子主演の連続テレビドラマ『わたし、定時で帰ります。』(TBS系)第4話が5月7日に放送され、平均視聴率8.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録した。
同ドラマの主人公は、ウェブ制作会社・ネットヒーローズに勤める32歳独身の東山結衣(吉高)。「定時で帰る」というモットーを貫くため、仕事中は効率を重視して誰よりも集中。プライベートでは「上海飯店」で飲む“半額ビール”を楽しみにし、婚約者・諏訪巧(KAT-TUN・中丸雄一)との時間も大切にする女性である。
4月16日の初回は9.5%、そこから第2話(同23日)で10.4%をマークしていたが、第3話(同30日)は6.5%と、一気に3.9ポイント減少。しかし、第4話では1.9ポイント回復しているところを見ると、第3話はゴールデンウィーク(GW)の影響を受けたものと考えられる。今年のGWは10連休となり、5月1日からは元号も令和に変わった。4月30日は“平成最後の日”として街も賑わっていたことなどから、自宅でテレビを見る人が少なかったのかもしれない。
GW明けに放送された第4話は、結衣と同じ制作4部に所属する吾妻徹(柄本時生)のサービス残業が問題に。同僚の児玉剛(加治将樹)の目撃情報によれば、吾妻は深夜のオフィスで自宅のように過ごしていたそう。結衣や副部長・種田晃太郎(向井理)は吾妻の非効率的な仕事ぶりを指摘するも、本人に改善の意思はナシ。そんななか、新規案件のヘルプで派遣デザイナー・桜宮彩奈(清水くるみ)がやってきた。桜宮の明るさや優しさに触れ、吾妻は彼女にいいところを見せようと効率アップに取り組むがトラブルが発生してしまう……という内容だった。
インターネット上で“共感”を生んでいる同ドラマ。今回も、明確な目標やモチベーションもなく人生を送っていた吾妻に対し、「私もやる気に満ちあふれているタイプじゃないから、気持ちわかるわ」「自分の仕事はするけど、それ以上の目標とか聞かれると困るよね」「みんながみんな、常に向上心があるわけじゃないから」など、同調する意見が多かった。そんな吾妻が、最後に“自宅でコーヒーを飲む”ということに興味を抱いたシーンにも「こういうささやかな幸せを見つけられるといいよね」と、ほっこりする視聴者が続出した。
吉高演じる結衣も、ビールやおいしいものを楽しむという“普通の感覚”を大事にしているところがネットユーザーから親しまれているのかもしれない。今期、同じTBSで連ドラ『集団左遷!!』が放送されているが、主人公の片岡洋(福山雅治)はとにかく“熱い”タイプで、職場でも家庭でも「がんばれ!」と言いまくっている。そのため、ネット上では「暑苦しいし、見るのがしんどくなってきた」と不評を買っているのだ。
『集団左遷!!』も4月21日放送の初回は13.8%だったが、GWに突入した同28日の第2話は8.9%と撃沈。5月5日の第3話は10.1%と息を吹き返したものの、主人公が視聴者に受け入れられている『わたし、定時で帰ります。』と、近いうちに数字が逆転する可能性も高そうだ。
(文=美神サチコ/コラムニスト)