小津安二郎生誕120年記念『連続ドラマW OZU~小津安二郎が描いた物語~』(WOWOWにて11月12日より放送・配信)の舞台挨拶が31日、都内で開催中の「第36回東京国際映画祭」(TIFF)内で行われ、前田敦子高良健吾、松本優作監督が登壇した。

「小津調」と称される独特かつ唯一無二の映像世界で没後60年となる今もなお国内外問わず高い評価を受け続ける映画監督・小津安二郎。
生誕から120年を迎えたことを記念し、若かりし頃に監督した初期サイレント映画群をオムニバスドラマ形式で現代リメイクした。第3話でドラマリメイクするのは、90年前の1933年に公開された『非常線の女』。主演の前田敦子が、昼は歯科助手の仕事をする一方で、夜は恋人の拓実らと美人局など悪事を働く謎めいた女性・時子を演じ、その恋人で、挫折した元ボクサー・拓実を高良健吾が演じた。

前田は「現実世界ではなかなかない設定だったので、最初は自分が受けて大丈夫なのかという不安から入ったのですが、監督ともご一緒してみたかったというのも大きかったですし、皆さんが新しい『非常線の女』をすごく真剣に作られているのがすぐ伝わってきたので、これは食らいついていくしかないなと」と出演を決めた思いを述べ、「撮影現場の記憶があまりないです。7日間で撮影しなきゃいけなくて、すごく濃密だったので、幸福度は高かったんですけどちょっと覚えてないですね」と振り返った。

高良も「とても濃密だったと思います。
自分も松本さんとご一緒したかったですし、前田さんが主演ということもあったのでこの作品は出演したいと思いましたし、7日間撮影がずっとありましたが、僕もあんまり記憶がそんなありません」と語った。

これまでも何度も共演をしている前田と高良。前田は「共演者の皆さんが高良さんにどんどん惚れていく姿をいつも現場で見ているんですけど、今回はまさに高良さんのカッコよさがピカイチの作品だったので、それを間近で見つつ、すごく仲良くもさせていただいているので、こっぱずかしい役ではありました」と照れ笑い。

高良は「僕は前田さんに対して絶大な信頼感というか安心感があって、前田さんといるとふざけられます。(カメラが)回ってないときは本当にふざけた話ができるぐらい、心を許せる女優です」と信頼を口にしていた。