●俳優デビューから10年「まさか今も続けているとは」
モデルとしてデビュー後、2014年に俳優デビューし、今年俳優生活10周年を迎える伊藤健太郎。昨年12月8日に公開され大ヒットを記録している映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。
』では特攻隊員を演じ、1月19日よりDMM TVで配信中のコント番組『インシデンツ2』では、前作に続き多くの芸人たちに交じってコントに挑戦している。伊藤にインタビューし、これまでの10年を振り返りつつ、俳優業への思いや今後の抱負を聞いた。

――まず2023年を振り返った上で2024年の抱負をお聞かせください。

昨年はいろんな素敵な作品に巡り合わせていただいたので、2024年も2023年の自分に負けないように、いろんなことに挑戦していけたらと思っています。

――2023年の作品で特にご自身にとって大きな経験になったなと感じているものは?

『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』という映画が今公開されているんですけど、あの作品を今の時代にやれたことがすごく意味のあることだと思っています。
命や平和についていろいろ学ばせていただき、そういうことを改めて考えるきっかけになったので、すごくいい経験をさせてもらったと感じています。

――2014年に俳優デビューされてから今年で10年を迎えられますが、ここまで振り返っていかがですか?

あっという間でしたが、各現場思い出に残っていて、たくさんの素敵な作品に出演させてもらったと思います。

――デビュー当時、10年後はどうなっていると思っていましたか?

10年も続けていると思わなかったです。どこかで違うことをやるだろうなと思っていて、まさか今もこうして俳優を続けているとは思っていなかったのでびっくりです。

――このまま自分は俳優としてやっていくんだと覚悟が決まった瞬間があったのでしょうか。

覚悟が決まったというか、決めざるを得なかったというほうが合っているかなと思いますが、『デメキン』(2017)という映画で初めて主演をやらせていただいた時に、ちゃんとやらないとダメだなと思いました。
自分の中でほかにやりたいことができたらそっちに進んでいたと思いますが、役者以上にやりたいと思うことが見つからなかったので、しっかりやっていかなきゃいけないなと。

――俳優業以上にやりがいを感じるものはないなと?

そうですね。苦しい部分もありますが、それもひっくるめて楽しいと思えて、そういうものはなかなかないと思ったので。

○作品に対する反響が力に「やりがいにつながっている」

――『デメキン』以降もさまざまな作品に出演されていますが、今の俳優業に対する思いもお聞かせください。

自分が出演した作品に対していろんな声をいただき、それがやりがいにつながっていると感じるので、求められている限り頑張りたいなと思っています。演じることが好きですし。


――そういった反応はSNSなどでチェックされるのでしょうか?

積極的に見るというわけではないですが、目に入ってきたものを見させてもらっています。あとは、街とか、ファンの方と会うタイミングでいろいろお声をいただくので、そういうのはすごく力になります。

――今26歳ですが、20代後半になってから心境の変化はありましたか?

20代後半に入ったんだなと思うぐらいで、あまり変化はないです。自分の中では、20代後半になっているというのが不思議で、気持ち的には18歳ぐらいで止まっています(笑)

――見た目的にも若く見られそうですよね。

そうですね。若く見られることが多いですが、徐々に中身も含めて年齢に合った感じになっていきたいなと思います。


「たくさんの人にいい影響を与えられる俳優になれたら」

――将来的にどんな俳優になりたいと考えていますか?

これからもいろんな作品に出演させていただきたいなと思っています。この仕事は、たとえ自分が死んでしまっても作品は残っていくので。そして、作品を通して、たくさんの人に何かいい影響を与えられる俳優になれたらと思っています。

――『インシデンツ』シリーズではどんな影響を与えられたらいいなと思いますか?

『インシデンツ』は何も考えずに見られるというのが魅力だと思っていて、つらいことや大変なことが年始にもたくさんありましたが、こういう作品を見て、現実逃避じゃないですけど、少しでも気持ちが楽になれる時間が生まれてくれたら、この作品がある意味があるのかなと思います。

――『インシデンツ3』も制作されることになったら、どんな役を演じたいですか?

演じたことのないぶっ飛んだ役を演じたいです。伊藤健太郎がこれやるんだと驚いてもらえるような、いい意味での裏切りができたら楽しいなと思います。


――ほかの作品でも、見る人たちを裏切りたいという思いがあるのでしょうか。

ありますね。裏切ってこそ、そこが醍醐味でもあると思うので。僕も視聴者として映画やドラマを見る時、この人がこれをやるんだというのに面白さを感じるので、型にはまらずいろんな役をやっていけたらと思います。

――これまで演じた役で、これはみんなを裏切れたなと手応えを感じたものは?

『インシデンツ』の役はそうかなと思いますが、自分的にはまだそこまで大きな裏切りはできていないと感じているので、ものすごい悪役とか、もっとぶっ飛んだ役ができたら面白そうだなと。もっと裏切っていきたいです。


○ジムがライフワークに「おじさんになっても動ける俳優でいたい」

――最近ご自身の中で変えたことや変わったことがありましたら教えてください。

健康を意識するようになりました。今までは何も考えずに生活していましたが、早起きしてみたり、食べるものを意識してみたり。ジムに通うようになったというのが大きくて、そこから少しずつ健康への意識が変わっていった気がします。

――ジムに通うようになったきっかけは?

最初は役作りで通っていたんですけど、だんだんライクワークみたいになりました。気持ちいいですし、リフレッシュもできるので、すごくいいなと。そこから派生して、いろいろと健康を意識するようになりました。おじさんになっても動ける俳優でいたいので、若いうちに体をしっかり作っておきたいという思いもあります。

――役作りでジムに通うようになったとのことですが、どの作品ですか?

『弱虫ペダル』(2020)の前くらいです。通っていない時期もありましたが、ここ1、2年でまたガッツリ通うようになりました。

――最後にファンの方にメッセージをお願いします。

『インシデンツ2』では、綿貫小次郎という“ついてない男”を演じていて、最初はついてないことが多いですが、ついてないなりに頑張っていますし、回を重ねていくと小次郎自身のこともいろいろと描かれていくので、そこも楽しみにしてもらえたらなと思います。そして、自分としては、皆さんを裏切れるような面白い作品に挑戦していきたいと思っているので、これからもいろいろとチェックして見ていただけたらうれしいです。

■伊藤健太郎
1997年6月30日生まれ、東京都出身。モデルとしてデビュー後、2014年にドラマ『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』で俳優デビュー。主な出演作は、ドラマ『アシガール』(17)、『今日から俺は!!』(18)、連続テレビ小説『スカーレット』(19~20)、映画『デメキン』(17)、『コーヒーが冷めないうちに』(18)、『惡の華』(19)、『弱虫ペダル』(20)、『十二単衣を着た悪魔』(20)、『冬薔薇』(22)、『静かなるドン』(23)、『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』(23)など。