2022年から続く値上げにより、身の回りのほとんどの商品・サービスが高くなったと感じる今日この頃。この4月には、6ヶ月ぶりに大規模な値上げラッシュが到来し、3,000品目を超える商品の値段が高くなる見通しです。
今回は、2024年4月に値上げする商品・サービスをまとめました。

■食品

<加工食品>

・日本ハムでは、4月1日(月)より家庭向け商品、業務用食品、冷凍食品の商品規格変更および納品価格の改定を行います。改定率は1.1~27.6%で、対象となる家庭向け商品はハム・ソーセージ55品目、加工食品38品目です。これにより、「彩りキッチン ロースハム」は21.5%の値上げとなります。

<調味料>

・キッコーマンでは、4月1日納品分より「デルモンテブランドのトマト調味料・飲料・おろしシリーズ」および「キッコーマンブランドのソース」の価格改定を行います。

対象商品は、デルモンテトマト調味料(トマトケチャップ、トマトソース等)39アイテム、デルモンテ飲料(トマトジュース、野菜ジュース、果汁飲料等)37アイテム、デルモンテおろしシリーズ(おろしりんご、おろしバナナ等)6アイテム、キッコーマンソース(ウスターソース、中濃ソース、とんかつソース)6アイテムで、改定率は約5~23%です。


2023年は、世界的な猛暑でトマトが不作でした。これにより、トマトの値段が高騰する「トマトショック」が起き、トマトを使用した商品の値上がりが目立っています。

・にんべんでは、4月1日出荷分より、家庭用・業務用・百貨店向け製品の価格改定を実施します。

つゆの素類と白だし類、たれ類は約5%、本節(1本もの)は約11%、フレッシュパック類、削り節類、だしパック類、だしの素類、ギフト類は約10%の値上がりとなります(アップ率は目安)。

・ハウス食品では、4月1日納品分より、家庭用唐がらし製品4品の価格を改定します。一味唐がらし(16g)と七味唐がらし(17g)は142円から171円(改定率120.4%)に、一味唐がらし袋入り(12g)と七味唐がらし袋入り(12g)は83円から110円(改定率132.5%)に値上げされます。


<菓子類>

・不二家では、4月1日出荷分より順次、菓子の一部商品の価格改定および内容量の変更を行います。対象となるのはサンリオキャラクターズチョコレート、アンパンマンペロペロチョコ、アンパンマングミ(ぶどう)、アンパンマングミ(りんご)など菓子商品15品で、改定率(内容量変更含む)は約5~12%です。

<酒類・飲料>

・サントリーでは、4月1日出荷分より、国産プレミアムウイスキーの一部商品について価格改定を実施します。価格改定の対象品目数は5ブランド19品目で、改定率は20~125%です。

これにより、「サントリーウイスキー 響 30年」(700ml)や「サントリーシングルモルトウイスキー 山﨑 25年」(700ml)は希望小売価格(税別)が16万円から36万円(価格改定率125%)に、「サントリーウイスキー 知多」(700ml)は4,000円から6,000円(価格改定率50%)に値上げします。

・アサヒビールでは、4月1日出荷分から国産洋酒・輸入洋酒の一部商品の価格を改定します。
対象品目数は17ブランド68品目で、改定率は国産ウイスキーが7~62%、輸入洋酒が6~43%となります。

主なブランドは、国産ウイスキーの「ブラックニッカ」「ハイニッカ」「竹鶴ピュアモルト」「シングルモルト余市」「シングルモルト宮城狭」、テキーラの「クエルボ」「1800」、ラムの「カリプソ」などです。今回の値上げにより、「竹鶴ピュアモルト 瓶700ml」の参考小売価格は、現行の4,950円(税込)から7,700円(税込)になります(改定率 56%)。

・味の素AGFでは、4月1日納品分より、インスタントコーヒーの価格改定を行います。値上げ対象商品は、「ブレンディ」「マキシム」「ちょっと贅沢な珈琲店」など主力商品を含む25品目で、価格改定による店頭価格の上昇幅は20~25%と推測されます。
■サービス

<電気料金>

・4月の電気料金は、燃料費調整額のほか、4月1日から実施される新料金の影響により、大手電力会社4社で値上げが行われます。
2024年3月と4月の電気料金と、値上げ幅は以下の通りです。

東京電力エナジーパートナー 3月: 7,560円 4月: 7,576円(+16円)
中部電力ミライズ 3月: 7,291円 4月7,384円(+93円)
関西電力 3月: 6,146円 4月: 6,211円(+65円)
九州電力 3月: 6,136円 4月: 6,156円(+20円)

<宅配料金>

・ヤマト運輸では、4月1日より宅急便の180サイズ、200サイズ、クール宅急便(付加料金)、ゴルフ宅急便の届出運賃・料金を改定します。改定率は約2%で、これにより180サイズは3,870円から4,090円(+220円)に、200サイズは4,530円から5,190円(+660円)に値上がりします。

・佐川急便も、4月1日から宅配便などの届出運賃を改定します。これにより、飛脚宅配便は平均7%程度、飛脚特定信書便は平均5%程度、飛脚クール便付加料金(対象は140サイズ(30kg)のみ)は220円、飛脚国際宅配便は平均6%程度の値上げとなります。

たとえば、関東から関西へ荷物を送る場合、60サイズは970円から1,040円(+70円)に、80サイズは1,280円から1,340円(+60円)に、100サイズは1,610円から1,630円(+20円)に、140サイズは2,100円から2,310円(+210円)に、160サイズは2,340円から2,570円(+230円)に値上げとなります。


2024年4月以降は、働き方改革関連法試行により、トラックドライバーの時間外労働が年960時間を上限に制限されます。労働時間が短くなることで、輸送能力が低下するなどの「物流の2024年問題」の発生が懸念されており、この影響などにより、物流費の上昇や宅配料金値上げが起きていると考えられます。

■今後も値上げに対する警戒は必要

2024年の値上げは、物流費や人件費の高騰が主な要因とされています。また、2024年1月から5月までに主要食品メーカーで値上げになる商品は4,556品目、値上げ率は平均17%です。昨年に比べれば値上げペースは鈍化するものの、これから値上げ商品が増える可能性もあり、まだまだ値上げに対する警戒は必要そうです。

武藤貴子 ファイナンシャル・プランナー(AFP)、ネット起業コンサルタント 会社員時代、お金の知識の必要性を感じ、AFP(日本FP協会認定)資格を取得。
二足のわらじでファイナンシャル・プランナーとしてセミナーやマネーコラムの執筆を展開。独立後はネット起業のコンサルティングを行うとともに、執筆や個人マネー相談を中心に活動中 この著者の記事一覧はこちら