第37期竜王戦(主催:読売新聞社)はランキング戦ほかが進行中。4月18日(木)には3組の計2局が東京・将棋会館で行われました。
このうちランキング戦の梶浦宏孝七段―本田奎六段戦は80手で本田六段が勝利。相掛かりの力将棋を制して本戦出場にあと1勝と迫りました。
○本戦への切符は1枚

今期ランキング戦3組は16名からなるトーナメントを制した1名が本戦に勝ち上がるもの。準決勝に当たる本局は居飛車本格派同士の顔合わせとなりました。振り駒で先手番を得た梶浦七段は相掛かりを志向。先手が7筋と3筋の歩をかすめ取ったところで後手の本田六段が動きます。


2歩損を甘受した本田六段は先手陣に角を打ち込んで局面を打開。この角はすぐ金打ちで捕獲されますが、手にした桂を使った反撃が厳しいと見ています。この直後、7筋の拠点にゴツンと飛車を打ち込んだ手が単純ながら厳しい攻めで、本田六段がペースをつかみました。

○本田六段が攻め切り快勝

手順に飛車を成り込んだ本田六段は、攻めの要と思われた桂を成り捨てスピードアップ。先手玉を危険地帯に呼ぶこの手筋が決め手となって徐々に後手優勢がはっきりしてきました。豊富な持ち駒を持つ梶浦七段ですが、受け一方でなかなか反撃のターンが回ってきません。


終局時刻は19時23分、最後は形勢の開きを認めた梶浦七段が投了。感想戦で梶浦七段は、角を捕獲した直後の金上がりで自陣に飛車打ちの隙が生じたことを悔やみました。勝った本田六段は2組昇級が決定、次戦で本戦入りを懸けて池永天志六段と対戦します。

水留啓(将棋情報局)