NASDAQ100はオルカン・S&P500をどこまで上回った?

中東情勢を巡っては停戦に向けた動きも見られる中、SpaceXやOpenAI、AnthropicのIPOなど、米国のテクノロジー企業には引き続き大きな注目が集まっています。

日経平均も6万円台に乗る局面ですが、成長産業の勢いという点では、依然として米国企業の存在感は大きいといえるでしょう。

そこで今回は、SBI証券投資情報部のシニア・ファンドアナリスト・川上雅人さんに、米国の成長企業が数多く上場する「NASDAQ100指数」に関連するファンドについて解説してもらいます。


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NASDAQ100指数の実力は?

2026年6月11日、米国・カナダ・メキシコの共催によるサッカーワールドカップが開幕します。世界最大級のイベントを背景に、開催国の中心である米国への注目は一段と高まりそうです。

その米国市場の中でも、成長企業が数多く上場する「NASDAQ100指数」は、エヌビディア、アルファベット、アップルなどの主要テクノロジー企業で構成される代表的な株価指数です。NASDAQ全体の動きを示す「NASDAQ総合指数」が3,000銘柄以上の幅広い企業を対象とするのに対し、NASDAQ100指数はその中から時価総額の大きい非金融企業約100社に絞り込んだ指数となっています。

このためNASDAQ100指数は、対象銘柄が厳選されている分、成長力の高い大型テック企業の影響を強く受けやすく、米国株式市場の中でも特に成長性を色濃く反映する指数として位置づけられています。近年はAIや半導体といった成長分野を背景に上昇を続けており、足元では節目となる30,000ポイント到達も視野に入っています。

では、そのNASDAQ100指数の実力はどの程度なのでしょうか。日本の投資家に分かりやすいよう、為替変動も反映されたインデックスファンドのパフォーマンスを通じて確認していきます。

NASDAQ100指数に連動を目指すファンドの中でも、代表的な存在が「iFreeNEXT NASDAQ100インデックス」です。同ファンドは2018年8月に設定されており、比較的長い運用実績を有しています。
そこで、本ファンドの設定来から直近までの約7年半における、NASDAQ100、米国株式(S&P500)、そして全世界株式(オール・カントリー、いわゆるオルカン)の3つのインデックスファンドのパフォーマンスを比較したものが図表1です。

NASDAQ100はオルカン・S&P500を大きく上回る展開に

設定来ではNASDAQ100が600まで上昇する一方、S&P500が424、オルカンが365にとどまっており、その差が拡大しています。


AI関連をはじめとするテクノロジー企業の成長が市場全体をけん引してきたことが明確であり、指数そのものの強さがNASDAQ人気の背景にあるといえるでしょう。

また、NASDAQ市場は上昇局面では大きな値上がりが期待できる一方で、下落局面では値動きが大きくなりやすい傾向がある点には留意が必要です。

このようにNASDAQ市場は高い成長性を持つ一方で、どのようにその成長を取り込むかが投資成果に影響します。

そこで、NASDAQの成長をどのように取り込むべきかを考える上で、NASDAQ関連ファンドの直近の動向を1年リターンで確認したものが図表2です。

1年リターンを採用した背景には、2024年からの新NISA開始を契機として、NASDAQ関連ファンドのラインナップが大きく拡充したことがあります。

NASDAQ関連ファンド、ランキングで比較

NISAで買える1年好成績 NASDAQ関連ファンド

1位 SBI岡三 NASDAQ AIアクティブファンド

1年リターンランキングを見ると、アクティブファンドであるSBI岡三 NASDAQ AIアクティブファンドがトップとなりました。

同ファンドは、AIを活用した銘柄選択を特徴としており、多様なデータを分析することで期待リターンの高い銘柄を抽出し、効率的な投資を実現しています。また、AI・半導体といった成長分野への重点投資により、NASDAQ市場の中でも高い成長が期待されるセクターの上昇を取り込んでいる点が挙げられます。さらに、ポートフォリオは定期的に見直されており、市場環境の変化に応じた機動的な運用が特徴のファンドといえます。
2位 iFreeNEXT NASDAQ 次世代50

続く2位はiFreeNEXT NASDAQ 次世代50です。本ファンドは、NASDAQの中でも成長性の高い「次世代企業」約50銘柄に投資する点が特徴で、NASDAQ100よりも投資対象を厳選し、高成長企業への集中投資によるリターン獲得を狙う商品です。直近の1年リターンではNASDAQ100インデックスファンドをわずかに上回りました。
一方で、3年リターンではNASDAQ100インデックスファンドに劣後しており、短期の上昇局面では優位性を発揮しやすい一方で、中長期ではNASDAQ100指数と比較してパフォーマンスにばらつきが見られます。
3~9位 NASDAQ100指数への連動を目指すインデックスファンド群

3位から9位までは、NASDAQ100指数への連動を目指すインデックスファンドが並びました。これらのファンドは運用内容が類似しているため、1年リターンの差は僅差にとどまっています。その中でも、相対的に信託報酬が低いニッセイ NASDAQ100インデックスファンド<購入・換金手数料なし>やeMAXIS NASDAQ100インデックスが上位となりました。この傾向は3年リターンでも同様に確認されており、インデックスファンドにおいては、信託報酬の差が中長期のパフォーマンスに影響しやすいことが示唆されます。

また、2026年5月には、NASDAQ100インデックスファンドとして追加型公募株式投資信託(ETF除く)の中で業界最低水準の信託報酬を掲げるSBI NASDAQ100インデックス・ファンドが新たに設定されました。低コストの優位性は長期投資において重要な要素であり、今後のパフォーマンス動向が注目されます。

10~11位 米国NASDAQオープンBコース、三菱UFJ NASDAQオープン Bコース

一方、10位と11位には、NASDAQ総合指数(配当込み・円換算ベース)を上回る運用成果を目指すアクティブファンドである、米国NASDAQオープンBコースおよび三菱UFJ NASDAQオープン Bコースが入りました。これらのファンドは、1年リターンではNASDAQ総合指数を下回った結果、NASDAQ100インデックスファンドに劣後する形となりましたが、3年リターンではNASDAQ100インデックスと同程度の水準となっています。中期的には底堅い実績を示しており、今後の運用による巻き返しも注目されます。
“どの指数か”から“どのファンドか”の時代へ

冒頭の比較グラフが示す通り、NASDAQはこれまでの株式市場の中でも特に高い成長を実現してきた市場といえるでしょう。

そして現在、その投資は新たな段階に入りつつあります。
これまでは「どの指数に投資するか」が主な選択軸でしたが、足元では「どのファンドで取り込むか」によってリターンに差が生じる局面となっています。

NASDAQ100指数が高値圏で推移する中、重要なのは「市場そのもの」ではなく、その成長をどのファンドで取り込むかです。

こうした視点を踏まえ、ご自身の投資スタイルに合ったNASDAQ関連ファンドを選択してみてはいかがでしょうか。

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『投資情報メディア』より、記事内容を一部変更して転載。

川上雅人 かわかみまさと SBI証券 投資情報部 シニア・ファンドアナリスト(公益社団法人日本証券アナリスト協会認定アナリスト) 慶應義塾大学卒業。中堅証券会社で国内株アナリスト、国内大手運用会社で18年間、商品企画・営業などを担当後、2020年よりファンドアナリストとして活動。2022年11月から現職。最新の投資情報を発信する『投資情報メディア』やダイヤモンドZAIなどのマネー誌で投資信託や資産運用(NISAなど)の情報提供を行う。趣味は野球観戦とランニング。 この著者の記事一覧はこちら
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