皆さんは、寝ているときに突然足がつって目が覚めてしまった経験はありませんか?

運動中や就寝中に突然起こる激痛に悩まされるのはつらいですよね。
「足がつる」とは、足の筋肉の痙攣のことで、「こむら返り」ともいいます。


この記事では、こむら返りが起きたときの対処方法と予防方法についてご紹介します。

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1.こむら返りの原因

春の時期は注意が必要 突然の【こむら返り】激痛の原因は?正しい対処と予防方法も紹介

こむら返りとは、筋肉の過度な収縮によって痛みを伴う痙攣が起きていること。つまり、筋肉が縮みすぎてしまっている状態です。では、なぜ筋肉が痛いほど縮んでしまうのでしょうか。以下の原因が考えられます。

(1)筋肉の疲労
(2)水分不足
(3)ミネラルバランスの乱れ
(4)冷え(※1)
(5)自律神経の乱れ(※2)
(6)糖尿病や甲状腺機能低下症など何らかの病気

その他、加齢やストレスもこむら返りの原因となることがあります。

1-1.春はこむら返りが起きやすい?
筋肉の疲労やミネラルバランスの乱れなど、さまざまな原因で起こるこむら返り。

実は、とくに春はこむら返りが起こりやすいと考えられています。
私たちのからだは、暑さや寒さを感じると、自律神経を働かせて体温を調節します。そのため、寒暖差が激しい春は自律神経のバランスが乱れがちになるのです。(※3)

また、春は就職、引っ越しなど身の回りの大きな変化がありストレスもたまりがち。ストレスもまた、こむら返りの原因のひとつであるため、春はこむら返りのリスクが高まる季節と考えられます。

2.こむら返りの正しい対処法

春の時期は注意が必要 突然の【こむら返り】激痛の原因は?正しい対処と予防方法も紹介

こむら返りが起こったとき、あまりの痛みにあわててしまうこともしばしば。できるだけ早く痛みを軽くしたいですよね。

そこで、こむら返りが起こったときの正しい対処法と、普段からできる予防方法を合わせてご紹介します。

2‐1.痙攣が起こったとき
(1)筋肉を伸ばすストレッチをする:
こむら返りが起こったとき、筋肉は縮んでいる状態です。そのため、筋肉を優しく伸ばしてあげると、痛みがやわらぎます。

例1:つま先をつかんで、ゆっくりすねの方に引いてふくらはぎを伸ばす
例2:立った状態で壁に両手をつき、体重をかけながら痛い方の足を伸ばす

(2)痛いところをさする:
すぐにストレッチをするのが難しいときは、痛いところをさするだけでも痛みがやわらぎます。

2‐2.日常的な予防方法
こむら返りが起きたときに対処することも必要ですが、そもそもこむら返りが起こらないように予防することも大切です。普段の生活のなかで、予防のためにできることをご紹介します。

(1)水分補給を心がける:運動前や就寝前はとくに意識する
(2)足を冷やさない:寝るときに靴下を履く
(3)ミネラルを摂る:海藻類、ナッツ類、乳製品、大豆製品などを摂る
(4)筋肉をほぐすストレッチをする:ふくらはぎや太ももの筋肉をストレッチする

取り組みやすい予防法から実践し、少しずつ習慣化していけるといいでしょう。

3.こむら返りの対策には漢方薬もおすすめ

春の時期は注意が必要 突然の【こむら返り】激痛の原因は?正しい対処と予防方法も紹介

予防法を試しても、こむら返りが何度も繰り返されてつらいという方には、漢方薬の服用もおすすめです。

漢方薬は対症療法だけではなく、体質の改善に働きかけることで、つらい症状の根本的な解決にも役立ちます。
また、セルフケアを毎日続けるのは苦手という方でも、お薬を服用するだけなので手軽に継続できるというメリットがあります。

こむら返りの対策には、「血液や水分の循環をよくして筋肉をゆるめる」「筋肉に酸素や栄養を届け、疲労を軽減する」「からだを温めて筋肉をゆるめる」などの働きがある漢方薬を選びます。

<こむら返りの対策におすすめの漢方薬>
●芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう):筋肉の緊張をゆるめて、痙攣で生じた痛みをすばやく緩和するため、こむら返りが起きたときに頓用で使用されます。
●疎経活血湯(そけいかっけつとう):栄養を補って血液や水分の循環を改善し、冷えている部分を温めて、関節痛や神経痛、筋肉の引きつりや痛みをやわらげます。

初めて漢方薬を用いる方は、購入方法や副作用など不安なことも多いでしょう。そんな方は、インターネット相談窓口がある「あんしん漢方」のようなサービスを利用してみるのもおすすめです。

●あんしん漢方


4.予防と対処のダブルで撃退!こむら返りはもう怖くない

とても痛いこむら返り。普段からできる予防法と、起きたときの対処法のダブル対策でこむら返りに苦しまない生活を目指しましょう。
漢方薬を上手に取り入れて、万全の対策を!

参考サイト
(※1)倉敷平成病院だより栄養科通信 vol. 135「『こむら返り』を予防するポイント」http://www.heisei.or.jp/blog/?p=9425  
(※2)一般社団法人公衆保健協会 検査室「検査室だより」https://www.hoken-k.or.jp/kc/files/bulletin/202205.pdf
(※3)一般社団法人 新潟県労働衛生医学協会 新潟ウェルネス「春と自律神経の乱れについて」https://www.niwell.or.jp/news/health/000052.html

[文:あんしん漢方]

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 碇 純子(いかり すみこ)

薬剤師・元漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。
世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。