試合前最後の会見で井上との2ショットに応じたネリ。その表情はかなり引き締まって見える。

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 いよいよ決戦に向けた緊張感が高まってきた。5月6日、ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)が、東京ドームで元世界2階級制覇王者ルイス・ネリ(メキシコ)との防衛戦を行う。

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 東京ドームでは34年ぶりのボクシングの世界戦とあって、世界的な注目はかつてないほどに集まっている。米国ではスポーツ専門局『ESPN』が、英国では衛星放送局の『Sky Sports』が、それぞれ生中継することが決定。4日に行われた試合前会見では、米興行大手『Top Rank』のボブ・アラム会長が「日本だけではなく世界中のファンが注目している」と断言した。

 もっとも、試合の下馬評は、「とてつもない試合ができると確信している」と意気込む王者を優位と見る向きが強い。

それも圧倒的に、だ。

 無論、ネリも直近4戦4勝(3KO)と好調を維持している。文字通り自力で大舞台の切符を掴んだわけだが、対峙する“モンスター”には到底及ばないという見方が大半を占めている。

 ネリの同胞である元世界王者も井上の勝利を断言している。元IBF世界スーパーウェルター級王者ラウル・マルケス氏は、米老舗誌『The Ring』の勝者を予想する企画において「ネリがイノウエに示せるものなど何もない」とバッサリ。井上の9回TKO勝利を予想し、持論を展開している。

「ネリは殴られるためだけにそこにいることになる。イノウエがKOしたい時にKOされるだろう」

 4日の会見では、「死を覚悟して戦いに挑む。勝利を確信している。KOで必ず勝つ」と意気込んだネリ。そんな熱っぽくなる本人をよそに周囲からはクレバーな評価が集まっていると言えよう。

 ちなみに「世界で最も権威がある」とされる『The Ring』の同企画では20人中20人が井上の勝利を予想。

「イノウエはパンチ力とスピードがありすぎる。ネリが敵地に乗り込む、それも世界最高のファイターと戦う場合に勝利するのは非常に難しい」(ボブ・サントス米トレーナー)など一方的な指摘がされている。

 ボクシングには絶対はない。だが、現時点で井上の勝利は揺るぎないものとなっている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]