早田は決勝進出ならず。陳夢が意地を見せた(C)Getty Images

 5月11日までサウジアラビア・ジッダで行われていた卓球の国際大会、サウジスマッシュで、女子日本代表は準決勝までで出場全選手が敗退となった。

ただ1人、ベスト4に勝ち残っていた早田ひな(世界ランク5位)は5月10日に行われた準決勝で中国の陳夢(同4位)にストレートで敗れ、決勝進出はならなかった。また、翌日の決勝戦は陳夢と孫穎莎(同1位)の中国勢により争われ、4-2で陳夢が制している。

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 今大会、日本女子はシングルスに6人がエントリーした内、平野美宇(同13位)、張本美和(同8位)、早田の3人がそれぞれ、ベスト16、準々決勝、準決勝で陳夢に破れている。パリオリンピック代表でもある日本の3選手を見事に打ち破った陳夢がそのまま勢いに乗り、大会の頂点まで駆け上がった。

 そして、中国卓球界のライバルとして力を高めてきている日本のトッププレーヤーから、鮮やかに3試合連続で勝利を挙げた陳夢に対し、母国メディア『捜狐』も称賛の言葉を送っている。

 大会閉幕翌日の5月12日、同メディアは「日本の主要選手3人を1人で破る!陳夢が五輪日本代表を撃破」と銘打ったトピックを配信した。

その中では、「平野美宇、張本美和、早田ひなの日本選手3名はいずれもパリオリンピックに出場する選手であり、オリンピックにおける日本の主力選手とも言える。陳夢が単独で日本チームの主要選手3人全員を破り、日本のオリンピックチーム全体を撃破できるとは予想していなかった」として、「偉業達成」への印象を綴っている。

 またトピックでは、かつては中国のエースとして君臨し、東京オリンピック金メダリストでもある陳夢がその後、国際舞台での実績が乏しかったと振り返っている。再浮上を目指すべく、強豪選手が集う今大会を「自身の力を証明するに相応しい大会」と位置付けていたと説明し、中国国内での注目度も高かったと明かしている。

 その上で、今回の結果を受け「陳夢はファンを失望させなかった」として、中国国内の反応も紹介。「ネットユーザーは陳夢を『対日本の英雄』と呼んだ」と記している他、同メディアも「陳夢は本当に日本チームに対抗する独特なスキルを持っている」と賛辞を贈った。

 今大会、陳夢の日本3選手との戦績は、張本に1ゲームを失ったのみという完勝に終わっている。日本は今年2月の世界選手権で中国チームに肉薄したものの、今回のシングルスではまたも、高い壁に跳ね返される結果となった。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]