来年11月に延期となった世界ラリー選手権の日本ラウンド「ラリージャパン」のPRイベントが名古屋市と愛知県岡崎市で開催された。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で中止となった今年の大会は11月19~22日に予定されていたが、PRイベントはその日程に合わせて実施された。

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名古屋市内のラリージャパンPRイベントで会見に参加した愛知県の大村秀章知事と大会実行委員会の高橋浩司会長(鶴田真也撮影)

 ラリージャパン事務局が主催する「GO TOラリージャパン2021」は名古屋市・栄のイベントスペース「ミツコシマエ ヒロバス」で21、22日に行われ、初日の記者会見で大会実行委員会の高橋浩司会長は「この日は本来であれば本番の2日目を迎えていたはず。そう思うと悔しさが込み上げてくることもあるが、コロナウイルスの感染症拡大が今、第3波と言われ、外国人の入国規制が解かれていない中で世界選手権が開催できないという決断は今となっても致し方ないことだったと思う」と話した。

 中止の発表があったのは8月。地元のトヨタも含めて現場の実動部隊は外国人で、国際自動車連盟のスタッフを合わせると300人近い人員を海外から一斉に入国させなければならない。無観客開催の選択もあったが、沿道に人が集まる可能性は否定できず、サービスパークがクラスターの発生源になる恐れもある。入国の際は原則的に14日間の自主隔離が必要で、時間的にも制約が多く、開催するのは現実的ではなかった。

 今回もPRイベントと銘打っているが、多くの人を集めるわけにもいかず、関係者はジレンマに駆られたという。名古屋市のイベントもオープンスペースながら柵を設け、入り口を2カ所に制限。入場者を常時300人以内とし、最終日には一時的に入場規制をした。岡崎市ではクラシックラリー大会と一緒にトヨタの競技車両「ヤリスWRC」のデモ走行なども実施されたが、イベントも大々的な告知は控えたという。

「GO TO ラリージャパン2021」が開催 ラリージャパン2021のサービスパークは豊田スタジアムに移転

岡崎城天守閣をバックに乙川河川敷でデモランするトヨタ・ヤリスWRC(鶴田真也撮影)


 延期となったラリージャパンは来年11月11~14日に愛知、岐阜の両県を舞台に開催される。11日に名古屋市中心部でセレモニアルスタートが実施され、愛知県の岡崎市、豊田市、新城市、長久手市、設楽町、岐阜県の恵那市、中津川市でスペシャルステージ(SS)が行われる。


 今年は長久手市の愛・地球博記念公園(モリコロパーク)に大会本部とサービスパークが置かれ、会場内にSSも用意されていたが、ジブリパーク計画に伴う改修工事に入り、会場の使用面積に制限ができることから、大会本部とサービスパークを豊田市の豊田スタジアムに分離移転。モリコロパークはメイン会場の位置付けながらSSとイベントを中心としたラリーパークに刷新される。

 最終的なゴール地点は決まっておらず、現時点ではモリコロパークと豊田スタジアムの二択になっているという。ただ、チーム関係者や運営側は豊田スタジアムに駐在するため、観客も分散することが見込まれ、ある程度の密は避けられるという。

 今年は東京五輪・パラリンピックが延期になったほか、F1日本GP、オートバイのロードレース世界選手権日本GP、鈴鹿8時間耐久ロードレースなどモータースポーツの国際イベントが相次いで中止となった。来年についてもコロナが収束する保証はないものの、大量の海外選手の流入を伴う五輪・パラが予定通り開催にこぎつけ、無事に終了すれば、ラリージャパンにとっても追い風となる。

[文・写真/中日スポーツ・鶴田真也]

トーチュウF1エクスプレス(http://f1express.cnc.ne.jp/)


※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

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