歩く、走る、座る、飛び跳ねる、しゃがむ、蹴る、ひねる、自転車をこぐ。全て股関節の働きに支えられています。

ヨガのポーズを通して、見えない身体のうちの構造に一緒に光を当ててみましょう。

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股関節は人間の一番大きな関節

 私たちの上半身と下半身、骨盤と大腿骨(太腿の骨)を繋ぐ股関節は、どこにあるか知っていますか?

 「脚のつけ根」や、「内股の内側」にはありません。

 股関節は「お尻の中」にあります。

 手で触れられる大きく出っぱっている腰の骨、腸骨稜(ちょうこつりょう)の後ろが股関節の位置です。英語では“Hip Joint” と言います。お尻の中にある関節、ですね。

 本来は可動域が広く、前後左右、あらゆる動きができる股関節。

歩くだけでも自分の体重の3-4倍の力がかかるそうで、年齢を重ねると共に痛みや不調が出やすい場所でもあります。

 股関節の負担を減らすためには、日々、骨盤を動かしておくこと、骨盤周りを覆っている筋肉や腱のストレッチや、筋力アップのトレーニングが大切です。

骨盤の可動域を探る マルジャラーサナ アップキャット&ダウンキャット 上向き&下向きの猫のポーズ

 「骨盤の動き=股関節の動き」を意識しながら、ゆっくり、3セット行ってみましょう。

1.膝立ちの姿勢から始めます。骨盤の真下に膝、肩の真下に手のひらをついて、手足で体を支えます。お腹は軽く引き寄せ、テーブルのような平らな背中を作ります。手の指をしっかり開いて、脇は軽く締めて、首と肩の長さを保ちます。


2.呼吸が始まったら、動きが呼吸に続きます。
吸う息で、足の指を立て、肘を緩めて、尾骨と頭頂で大きなU字のカーブを作りましょう。胸が開き、呼吸が入りやすい身体の全面を感じます。

ヨガで紐解く体の不調 〜骨盤 股関節痛・仙骨痛〜の画像はこちら >>

撮影:太田ゆか

3.吐く息で、足の甲を寝かせ、手のひらで床を押して、尾骨と頭頂が引き合うように、背中を大きく丸めましょう。背中が開き、呼吸を吐きやすい身体の背面を感じます。丁寧に吐き切る、ことを意識します。

ヨガで紐解く体の不調 〜骨盤 股関節痛・仙骨痛〜

撮影:太田ゆか

椅子でできる お尻の筋肉のストレッチ アンクル・トゥー・ニー

1.背筋を伸ばし、坐骨を意識しながら、太ももの裏で椅子に座りましょう。両脚は骨盤幅に開き、足裏をしっかりと床につけます。

2.片脚を持ち上げたら ankle to knee; 股関節から膝を外へ開きながら、足首を反対の太腿の上、膝関節に近いところに添えます。
【大切】持ち上げた脚の足首を曲げて、フレックスにすることを忘れずに!足裏を突き出すようにすることで、膝関節の靭帯を守ります。

3.心地よいストレッチを感じられる体制で、なめらかな呼吸を3-7セット繰り返します。
余裕がある方は、背骨の長さを保ったまま、吐く息と一緒に少しずつ、股関節から前傾すると、臀部の奥により深いストレッチをすることができます。

ヨガで紐解く体の不調 〜骨盤 股関節痛・仙骨痛〜

撮影:太田ゆか

 股関節の動きをスムーズにして、股関節から足の指先までを一本の脚、として使えるように、そして、疲れにくく、痛みが少ない身体にしていきましょう。

[文/構成:萩原 有希子]

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

萩原 有希子

身体から、エネルギーへ、そしてこころへ。一歩ずつ、内へと踏み込んでみましょう。
ヨガは精神的、文化的一面もありますが、自分の身体を使って 『今、ここ』 を体験すること、心身を健やかに保つことを助ける「科学」です。
ファッション業界で日々刺激溢れる仕事に従事する中ヨガの練習を始めて、長い間自身の「こころ」から離れていたことに気づき、立ち止まりました。
2017年に長女を出産後も変わらず、学び、実践し、イシュタヨガを伝えることが喜びであり、支えです。


全米ヨガアライアンス イシュタヨガ認定インストラクター RYT500
「こころとヨーガ」主催、対面にてプライベートクラス、企業ヨガクラス、アーユルヴェーダや呼吸法の座学クラスの他、隔週日曜日の朝、基礎&瞑想クラスをオンラインにて継続開催中。毎週火曜日朝、広尾 ミントマットヨガスタジオにてレギュラークラスを担当。

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