混戦を勝ち抜くためには・・・。楽天は3日のロッテ戦(楽天生命パーク)に10ー1と勝利。

大勝の裏で首脳陣が選手を引き締める出来事があったと「日刊スポーツ」が報じている。

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 試合は3回に球団最多タイとなる1イニング3本塁打を放つなど、5発10得点の猛攻。3回は鈴木大、茂木、西川にホームランが飛び出すなど盛大な花火合戦となった。

 一方、序盤で圧勝ムードが漂う中、選手を引き締めたのは現在コロナ禍で離脱中の石井GM兼任監督に代わって、監督代行を務める真喜志康永ヘッドコーチ(62)だった。

 10点リードの5回1死無走者の場面。ロッテ・岡の打球は左中間へ飛んだが左翼を守る西川が、打球処理に手間取る間に三塁打となった。

さらに続くエチェバリアの中犠飛で1点を失うと直後の5回無死一塁の打席で西川を代え、代打に武藤を送ったのだ。

 この交代に関して真喜志ヘッドコーチはこう話したという。

 「あのプレーで1点は取られましたけど、あれがなければ0点ですから。フェンスにぶつかってどこか痛いかもわからんけど、あんな追い方されると見てる方も気分悪くなるので変えました」とコメント。西川は4回の守備でフェンスにぶつかっていたが、試合に出ている以上は全力プレーが求められる。

 チームは現在2位ながら、史上最大の「混パ」ともいわれるほど、首位から5位までひしめいている。

ワンプレーが勝敗を分けることもあるだけに、厳しく姿勢を示す必要があった。

 また今回の真喜志コーチの判断にはこんな声もある。

 「西川に関しては日本ハム時代から守備の問題が指摘されていました。肩が弱いともいわれていますが、ポジショニングなど自身でカバーできることも多い。西川はコロナ禍明けで考慮する部分もあるとはいえ、あのプレーでも出られるとなれば、チーム全体の士気にも関わる。チームを引き締める意味もあったのではないか」(球界関係者)

 昨オフ、日本ハムをノンテンダー(自由契約)とされ、苦労の末に楽天に入団した。

開幕当初はリードオフマンとして3、4月は打率・333と好調だったが、前半戦途中から打撃も湿りがちとなり、チームも低迷。不動のリードオフマンが不調となればチームの結果と直結するだけに、「指定強化選手」としてあえて厳しくする必要があったというのだ。

 真喜志コーチは指導者としても近鉄、オリックス、日本ハムなど多くのチームを歴任。「言葉数は決して多くないですが、本当に必要なことを伝えるコーチ。芯が通った指導で知られています」(同)

 大勝にも浮かれず、引き締め効果でさらなる上昇気流を狙いたいところだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]