令和最初の仮面ライダーシリーズとして、「夢」と「情熱」の素晴らしさをメッセージとして伝えてくれた『仮面ライダーゼロワン』。今年8月末に最終回を迎えた本作が、12月18日(金)から、『劇場版 仮面ライダーゼロワン REAL×TIME』としてスクリーンに復活します。

そこで、長期に渡り主人公・飛電或人と、秘書・イズとして作品を盛り上げた、高橋文哉、鶴嶋乃愛の両名に、集大成となる劇場版への熱い思いを聞きました。(取材・文=磯部正和/写真=松林満美)■「次元が違う」エス・伊藤英明に戦々恐々

――劇場版の公開おめでとうございます。テレビシリーズと本作で、なにか違いを意識したことはありましたか?

鶴嶋:映画のイズは、“もともとのイズ”ではないので、その時点で違いは意識しました。そして劇場版の中でも、最初と最後で「イズは変わったな」と思っていただけるように演じたので、楽しみにしていてほしいです。

高橋:テレビシリーズで演じていても、或人はすごく成長したなと感じていたのですが、劇場版の台本を読ませていただいたとき、「さらに或人は成長しているな」と思ったんです。その伸びしろの背景をしっかりと考えて演じました。

――劇場版の大きな見どころの一つは、テレビシリーズの最終回に登場した、伊藤英明さん演じるエスとの対峙だと思いますが、ご共演されていかがでしたか?

高橋:次元が違うというか…、迫力がすごかったです(笑)! 至近距離でお芝居するシーンがあったんですが、段取りとかテストの段階で「怖いな」と思ってしまっていたら、英明さんが「本番ではビビらないで頑張れよ!」と言ってくださったので、全力でいきました。

鶴嶋:私は二人のお芝居を見守る立場だったのですが、伊藤さんと文哉くんのシーンは本当に二人の圧がすご過ぎて、圧倒されまくっていました(笑)。

高橋:表現が難しいのですが、大先輩の英明さんや(飛電是之助役の)西岡徳馬さんが纏う周りの空気って、色が違うんです。緊張感もあるし和ませてもくれるし…。いるだけで雰囲気がガラッと変わる。リハから本番まで、毎回すごく新鮮な気持ちで演技をさせていただいて、役者としてとても勉強になりました。
■過酷な撮影中の支えは「視聴者の声」

――『ゼロワン』の出演を通し、ご自身の中で獲たものも大きいのではないでしょうか?

高橋:自分自身の成長はもちろんですが、それよりもイズをはじめ、共演者の方々との信頼関係を築けたことが一番の収穫でした。

鶴嶋:最初は台本通りだったのですが、お互いの関係が深まるにつれて、だんだんとギャグの相談とかもできるようになりました。現場でいろいろなことが試せるようになったよね。

高橋:そうだね。途中からは、僕がこうしたら「イズなら、こうしてくれるだろう」とか、「イズのこういう顔が見たい!」と思ってお芝居することもありました。そういうときは、モニターをチェックするのが楽しくて(笑)。こっちの想像をはるかに超える表情をしてくれていたときなんかは、本当に嬉しかったなぁ。

鶴嶋:こういう“阿吽の呼吸”のようなものって、やっぱり1年以上同じ役をやらせてもらえたからこそ味わえるものなのかなと思いました。私にとっては初めてのお芝居の現場だったのですが、共演者とこういう関係性を築けたということは、次の現場でも必ず活きると思っています。ありがたい経験です。

――もしお二人がヒューマギアになるなら?

高橋:演じてみたいのは迅か滅かな! 向こうから見たこちら側って、どんな感じなんだろう…というのはすごく興味があります。

鶴嶋:私は迅だな。
サイコパス的であり無邪気な感じに惹かれます。文哉くんと同じで、あちら側から見た飛電側の景色ってどう見えるんだろう? というのは興味があります。

――“特撮シリーズ”というと、長丁場の撮影でも有名ですが、どうやってモチベーションを保っていたのでしょうか?

鶴嶋:一番は視聴者の方々の反響です。シリーズの放送前は「大丈夫かな」と不安もあったのですが、その後は毎週トレンドに上がるなど、皆さんの声が支えになりました。自分たちが頑張ったことが形になって視聴者に届いているんだと実感することで、もっと頑張れていたような気がします。

高橋:僕が一番大切にしていたことは、或人として、しっかり生きたいという思いでした。撮影中、大変なことは色々ありましたが、「役に対して失礼にならないように」という思いに突き動かされていたような気がします。■「本当に“飛電或人がいる”」決戦場撮影の裏側

――「大変なことが色々あった」とのことですが、テレビシリーズや劇場版を含め、「二度と撮りたくない」というシーンはありますか?

鶴嶋:どのシーンも、やりがいがあって楽しい撮影でした。ですが…、敢えて言うなら、イズちゃんの衣装って風を通さないのに保温がしっかりしていて、夏場の撮影は暑くて大変でした(笑)。

高橋:僕は、決戦場のシーンが本当に大変でした…。2日間に分けて撮ったのですが、アクションシーンって、普通はプロテクターなどを装着するんですけど、このシーンだけは“リアル”を追求したくて着けなかったんです。

 案の定、初日で体はアザだらけ。
激しいシーンで、次の日も体力的に極限の状態だったのですが、ものすごく集中していて、まさにゾーンに入ったような感じ。思い出そうとしても、芝居をしていたときの記憶がほぼなくて…。でも、映像を観たら、本当に「飛電或人がいる」と思えました。正直、何度やってもあのときの芝居は超えられないと思うので、「二度と撮りたくない」というより、「やれない」と思うシーンですね。

――集大成とも言える劇場版。作品のテーマである“夢”に絡めて見どころを教えてください。

鶴嶋:イズは、或人社長の“心”を理解したいというのが夢なのかなと思うんです。きっと視聴者の方々も、或人とイズが一緒になって「アルトじゃないと!」って、やっている姿をまた見たいと思ってくれているのかなって…。そんな思いを背負って演じたので、ぜひ二人の関係を楽しみにしてほしいです。

高橋:『仮面ライダーゼロワン』って、それぞれのキャラクターが夢を追いかけている姿が魅力的だと思うんです。劇場版では仮面ライダー・エデンも登場しますが、彼も夢を持っている。お互いの夢のぶつかり合いの中から、どんな正解を導き出すのか…。
大きなお友達はもちろん、小さなお友達の夢に少しでも希望を与えることができたら嬉しいと思います。

 一年間を通して、“夢を見ること”の尊さを教えてくれた『仮面ライダーゼロワン』。高橋と鶴嶋の話を聞いていると、二人にとっても本作との出合いは、それぞれが思い描く大きな夢への一歩なのかもしれない。

 或人とイズ、そして高橋と鶴嶋がどのような姿を見せるのか。劇場でしっかりとチェックしておきたいところだ。

 『劇場版 仮面ライダーゼロワン REAL×TIME』は、12月18日(金)から、全国の映画館で公開。

※西岡徳馬の徳は旧字体が正式表記

編集部おすすめ