櫻坂46が8~9日、全国ツアー「2nd TOUR 2022“As you know?”」のツアーファイナルとなる東京ドーム公演を開催した。最終日の9日公演では、欅坂46の改名を経てグループの一期生として7年間在籍し、2017年1月から初代キャプテンを務めてきた菅井友香が卒業。
【写真】美しいドレス姿で卒業セレモニーを行った櫻坂46・菅井友香
メンバー紹介VTRと共に流れた開演を告げる「Overture」に続く本編の冒頭5曲では、開演前のアナウンスでペンライトを消灯した状態での鑑賞を告知された。
幕開けを飾った「条件反射で泣けて来る」では二期生の山崎天(※正式表記は「たつさき」)がレール上に置かれたグランドピアノの前に座り花道を駆け抜け、シングル表題曲の「BAN」では、花道の中央で稼働したムービングステージでメンバーが躍動。「Dead end」でセンターを務める二期生の森田ひかるが、メインステージに設置されたソファ上で挑発的な視線を浮かべ、「断絶」に続くシングル表題曲の「流れ弾」では、センターの託された二期生の田村保乃が激しいダンスで存在感を見せつけた。
MCを挟み、中盤からは観客の手にするペンライトが光る。一期生がカジュアルな衣装でゴンドラに乗り客席間を進みながらパフォーマンスを繰り広げた「タイムマシーンでYeah!」では、メンバーに促された客席がペンライトの光により鮮やかなウェーブを表現。「One-way stairs」や「制服の人魚」など、ユニット曲のブロックに続くシングル表題曲「五月雨よ」では客席一面が緑色の光に染まり、「なぜ 恋をして来なかったんだろう?」では、MVをモチーフにして、“光”を放つ糸を使った演出でメンバーがセンターを務める二期生の藤吉夏鈴を取り囲み、曲中では、ワイヤーにつられた藤吉がステージ上で宙を舞った。
櫻坂46の第1弾シングル表題曲である「Nobody's fault」では、花道の中盤でセンターの森田が躍動感溢れるジャンプを披露。ファンとの一体感が高まる「Buddies」の曲中では、メインステージから花道へ向かう菅井と隣り合ったメンバーが、互いに顔を見合わせ微笑みながら菅井の決めポーズ“がんばりき”を共に披露し、呼吸を合わせていた。
MCや「車間距離」「恋が絶滅する日」のパフォーマンスに続き、本編の最後に歌い上げたのは「摩擦係数」。真っ白な衣装に身を包んだメンバーに合わせて、客席のペンライトの光も白で統一され、曲の最後には、大きな爆音と共にメインステージ前方で勢いよく花火が噴き上がった。
本編のパフォーマンスを終えて、暗くなった場内には観客の手拍子が響いた。
菅井のラストステージでのアンコール1曲目を飾ったのは、有観客公演では約3年2ヵ月ぶり(2019年9月に行われた欅坂46の東京ドーム公演以来)で、2020年10月に無観客配信で行われた欅坂46のラストライブ「THE LAST LIVE」以来に披露した「不協和音」。リリース当時の楽曲の制服に身を包んだ現メンバーのパフォーマンスを展開し、曲中では、菅井と二期生の田村保乃がそれぞれ「僕は嫌だ!」と咆哮を上げ、楽曲の披露後には客席の拍手が鳴り止まなかった。
続けて歌い上げたのは、菅井が初めて単独でセンターを務めた欅坂46時代の楽曲「砂塵」。無観客配信となった2020年10月の欅坂46のラストライブ「THE LAST LIVE」で唯一パフォーマンスが行われるだけだった曲の”サプライズ披露”となり、曲中では、メンバーと微笑み抱き合いながらパフォーマンスを繰り広げた菅井が、ワイヤーに吊られてステージ上を舞った。
菅井のスマホに残った写真をきっかけに、グループの思い出をたどるVTRが明け、明るく照らされたステージに、水色を基調とした優雅なドレス、きらびやかなティアラを身に着けた菅井が1人で登場。涙をこらえながら活動を振り返り、アイドルとして最後のメッセージを届けた。
2015年8月の欅坂46結成、2016年4月リリースのシングル「サイレントマジョリティー」でのデビューを振り返った菅井は「本当に波乱万丈な人生でした」と回想。「人生の転機」だったと語るキャプテン就任以降、「最初はみんなと一緒に協力しながらだったんですけど、すごく複雑で、アンバランスなグループをまとめるのがすごく、すごく難しかった」と吐露。当初は「メンバーが10代の子も多かったので、なかなか一生懸命頑張るんですけど、思うようにいかない部分」があったと話し、一時期は「笑えることが難しくなってしまった時期もありました」と打ち明けた。
ファン、メンバー、家族への感謝を述べ、櫻坂46へ改名して以降は「メンバーの笑顔が『たくさん増えた』っていろんなところでお話しさせていただいてきたんですけど、そのみんなのおかげで私も自然と心が明るくなって、立場とか関係なく、一人のメンバーとして、たくさん笑えることが増えました」と回想。「かけがえのない一期生」と「私を慕ってくれるかわいいかわいい後輩」がいる環境から「お別れするのが寂しいです」と涙ぐみながらも、「大好きな櫻坂46は、みなさんのおかげでここ2年ですごく前よりも成長して、たくましい“櫻”になったと思います」とファンへ感謝した。
また、新たに三期生の加入を発表しているグループに期待を込め、最後は「これからも経験を忘れず、楽しかったことうれしかったことすべて抱きしめて、前に歩んでいきたいなと思っています。これからも櫻坂46も、そして、菅井友香の応援をよろしくお願いいたします」と観客へと力を込めて伝えた。
菅井のスピーチが終わると、菅井の背後から他のメンバーが登場して合流。ステージで菅井への思いを込めた手紙を1人ずつ順番に読み上げ、一輪の花を手渡しながら抱き合った。
ファンの間で先輩後輩を超えた“親分”と“子分”の関係性も知られる二期生の増本綺良は「もっともっとそばにいてほしかったです」と寂しさを募らせながらも、自身にとって存在が大きかったという菅井が「日々の楽しみ」だったと吐露。「かわいいかわいい菅井さんに会えると思って、毎日ワクワクしながら来てました」と振り返り、「頑張る理由をありがとうございました。夢のような毎日を、本当にありがとうございました。世界で一番幸せでいてほしいです。本当に大好きです。今までありがとうございました」と笑顔で感謝を伝えた。
菅井と同期、一期生の土生瑞穗は「ずっと変わらず、ずっと変わらず近くで一緒に過ごす時間を大切にしてくれて、ありがとう」と感謝の言葉を述べて涙。「初めて私たちが話したときは何気ない会話だったけど、今では、お互いにとってかけがえのない思い出だね。
ツアーファイナル、そして、菅井のラストステージを締めくくったのは、彼女の最後の参加曲となった「その日まで」。曲中、自身のメンバーカラーである“ホワイト×パステルブルー”のペンライトの光に染まる客席を見つめる菅井は、ファンの応援を受けながらメンバーと共に「ここまで走り続けることができました。また、大好きなみなさんにお会いできるように、また明日からは新たな道を走り出したいと思います。また、お会いできるまで待っていてくださったらうれしいです。そして、今日までグループを守るために戦ってきました。悲しいこともあったけど、最高に楽しかったです。
曲の最後には、メインステージの上部で1人立つ菅井が客席へ振り向き、深々とお辞儀。去り際には自身のトレードマークである「がんばりき」を笑顔で見せ、ステージを離れた。菅井以外のメンバーは壇上へ残り、10日からの“2代目”キャプテン就任を発表している二期生の松田里奈を中心にグループが横一列に並んだ。
ファンへの感謝を述べた松田は「キャプテンである菅井友香さんが卒業して、グループにとっても、とても大きな出来事だと思います。だけど、このメンバーならどんな困難も乗り越えられると思うし、どんな道も進んでいけると思います。またこのステージに立てるように、メンバー同士で手を取り合い、スタッフのみなさんと手を取り合い、そして、Buddies(ファンの愛称)とも手を取り合い、切磋琢磨していきたいです」と語り声を詰まらせ、「これからも櫻坂46は“坂”を昇り続けていくので、Buddiesのみなさんに、これからも『櫻坂46と歩んでいきたい』と思っていただけるようなグループになります。どうかこれからも櫻坂46の応援、よろしくお願いします!」と願い、メンバーと共に感謝を伝えながらステージをあとにした。
櫻坂46「2nd TOUR 2022“As you know?”」最終日、9日公演のセットリストは以下の通り。
Overture(櫻坂46)
M1:条件反射で泣けて来る
M2:BAN
M3:Dead end
M4:断絶
M5:流れ弾
M6:タイムマシーンで Yeah!
M7:One-way stairs
M8:ずっと 春だったらなあ
M9:制服の人魚
M10:五月雨よ
M11:なぜ 恋をして来なかったんだろう?
M12:Nobody's fault
M13:I'm in
M14:Buddies
M15:車間距離
M16:恋が絶滅する日
M17:摩擦係数
Overture(欅坂46)
EN1:不協和音
EN2:砂塵
WEN1:その日まで