デビュー10周年を迎えたダンス&ヴォーカルグループのGENERATIONSが、メンバー全員でホラー映画『ミンナのウタ』に挑戦した。『呪怨』シリーズなどで知られるジャパニーズホラー界の巨匠・清水崇が、メンバーを本人役として当て書きし、生々しい恐怖をスクリーンに映し出す。
【写真】ソロカットも多数! 白濱亜嵐×小森隼×佐野玲於、撮り下ろしショット(12枚)
GENERATIONSの小森が、カセットテープから奏でられる“あるメロディー”を聴いてから消息を絶った。ほかのメンバー(白濱、片寄涼太、佐野、関口メンディー、中務裕太)が小森の行方を探ろうと奔走するも、ひとり、またひとりと怪奇現象に巻き込まれていく。音楽を呪いの元凶とした、視覚と聴覚に訴える体感型のホラームービーが誕生した。
■「本当に怖いものをやりたい」 作品の出来は「大・大満足!」
――清水監督といえばジャパニーズホラーの巨匠です。組むと聞いて、どのような楽しみがありましたか?
白濱:実は僕、ホラー映画が好きで清水監督の作品を何本も観ていました。
――清水監督は「白濱さんはホラー好きだから、作品を観せることにすごく緊張した」とお話されていたそうです。
白濱:そういえば、試写後、監督に真っ先に感想を聞かれました(笑)。「本当に怖かったです」と伝えましたよ!
僕としては最初に台本を読んだ段階で「ああ、これは怖くなるだろうな」と漠然と思っていたんです。
小森:本当に怖かったよね。清水監督については、僕も亜嵐くんとほぼ同じで「ものすごく怖い方だろうな」と勝手に思っていました。実際の監督は、現場でも打合せでも、すごくフランクに声をかけてくださいました。僕自身、映画出演の経験がたくさんあるわけではないので、現場で戸惑い&考えながらやっていたら、すごく寄り添ってくださったんです。
だからスタッフさんに「すごくうれしい現場だ~!」なんて話をしていたら、監督が「ちっ(舌打ち)、てめぇ、このやろう!!」と突然、僕にめちゃくちゃキレるというギャグを仕掛けてきたんです。普通にマジでびびってしまいました(笑)。
佐野:知らないんだけど、それ!(笑)
小森:あったのよ、監督がユーモアでわざとやってくれて(笑)。すごく楽しい現場でした!
――雰囲気のよさがすごく伝わります。佐野さんにも伺いたいです。
佐野:僕は亜嵐くんと逆で、ホラーが苦手なんです。
――本作には新たなホラーアイコン「さなちゃん」が登場しますね。
佐野:はい。
■本人役の難しさ
――本人役を演じたわけですが、皆さんからアイデアを出したことや、本人役ならではの難しさはありましたか?
白濱:どこまでリアリティを残すのか、というすり合わせはかなりしました。例えば、早見あかりさん演じるマネージャーとの関係性の作り方ひとつとっても、僕ならタメ口だけど、他メンバーは敬語を使うとか。そういう細かいことは、色々やりましたね。
小森: 本来の僕のキャラクターを台本に落とし込んでいただいたので、基本的にはやりやすかったです。ただ、何かが起きるとき、大きな声を上げるとき、真面目にメンバーと話すところあたりは、自分のままでいくとちょっと恥ずかしかったですかね。そういうときは「自分を演じる」というフィルターを通すといけたと思うので、難しさを感じつつもやっていました。
佐野:本人役とは言っても作品なので、リアリティと作品性、いわゆるフィクションとノンフィクションの行き来みたいなものは難しかったかもしれないです。会社のシーンや、メンバーとのやりとりはめちゃくちゃ自然にして、導入は「あ、GENERATIONSだ」とファンの人たちが見てもわかるように、それから徐々に非現実的なことに移していく、みたいな。温度感を探る感じはありましたね。何かが起きたときは、自分のキャラで演じないといけないので、やりすぎても嘘になっちゃうし、自然にすぎても…何て言うのかな。
白濱:怖さがなくなっちゃう?
佐野:そうそう、怖さがなくなっちゃうんだよね。そこはすごい難しいなと思いましたね。
――普段、皆さんはステージに立っていますが、アーティストの自分・演技での自分の差や変化は感じていますか?
白濱:僕は、その差が年々薄れていっている感じがします。年に1本ぐらいお芝居をさせてもらっていますが、意気込んで「お芝居するぞ!」という感じがなくなっていきました。自分が多機能になっていっている感じというか…。
小森:そうやってどこにでも行けるようになったのは、すごいことだよね。
白濱:今までだったら「よし、映画の現場だ、頑張って俳優になるぞ!」みたいな感じだったけど、自然となくなっていったんだよね。
小森:僕はまだ違うかも。GENERATIONSでやっているときと、お芝居させていただくときは、仕組みから何から全然違うので、そこの新鮮さはものすごくあります。GENERATIONSでやっているとグループ内の7人で完結しますけど、お芝居だと本当にたくさんのスタッフさん、キャストさんとコミュニケーションを取るので。「はじめまして」の中でやること、取り巻く環境の変化がすごく楽しいです。
佐野:常に新しい現場なので、僕もドキドキはします。作品だと毎回スタッフやチームががらっと変わるので、常に新学期みたいな感じなんです。毎度クラス替えしているようなイメージなので、俳優業をずっとやっている人、作品を続けてやっている人はやっぱりすごいなと感心しますね。
■メンバーの「こわっ!」と思った一面を暴露!
――ホラーにかけて。メンバー同士で「うわ、こわっ!」とひそかに感じた一面があれば、教えてください。
白濱:いっぱいあるかも(笑)。レギュラーラジオをやっているんですが、毎回マイクチェックをするんですね。マイクチェックは普段のボリュームでしゃべって、そのレベルを取るためのチェックなんです。でも…裕太くんが、その意味を未だに理解していなくて(笑)。普段のラジオでしゃべる声と全く違うボリュームで、ぼそぼそ話すんです。何のレベルチェックにもなっていないっていう。
小森:マイクが生きているかどうかを確認するチェックだと思っているんです、彼。
佐野:彼はホラーですよね。
――皆さん、中務さんのマイクチェックについて突っ込まないんですか?
全員:(うなずく)
小森:10年、誰も教えていません。もはや教えないほうが…みたいなところもちょっとありますし。
佐野:やっぱり人じゃないんだと思う! それ以外ちょっと考えられない。
小森:我々が悪いのかな…と、最近思い始めて来たと言いますか。この10年で本当は人として彼が何かを得るはずだったものを、僕らが取ってしまったんじゃないかな、みたいな(笑)。
白濱:教えていない俺らがね?(笑)
小森:そうそう。
白濱:映画でも、裕太くんだけは演技していなかったもんね。
佐野:もはや、映画に出ていることに気づいていない可能性もあるよ。
白濱:(笑)。裕太くんだけは一番リアリティある感じだったよね! MVPあげたい。
――他のメンバーにも「こわっ!」な一面はあります?
佐野:あのー…涼太くんもちょっと怖いところありますけどね。
■片寄涼太の「こわっ!」な一面とは?
小森:あるねえ! 涼太くん、会議中、たまにタイムリープするんですよ。メンバーでわーっとひとつの議題について話して、「こういうことで決まりました、解決です」となった後に、涼太くんが「あ、この議題って何でしたっけ?」と振り出しに戻るときがあるんですよ…。
佐野:しかもゼロまで戻るからね。
白濱:頭の中で考えていたんだろうけどね。
小森:咀嚼して頭の中でそれについてブワーって考えている間にわからなくなって、「あれ? 結局これ何でしたっけ?」と平気でタイムリープするんだろうけど…。その時は「こわいな」と思いますね!
――1回や2回じゃないということですよね。
小森:結構あります!!
佐野:僕なら雑なところもあるから、「何だっけ?」と言ってもみんな分かってくれると思うんですよ。でも涼太くんは常に真面目なんです。俺らの中で一番育ちがいいし、すごくちゃんとしているじゃないですか。だけど話を聞いていないときはすごい。全く興味ないときの顔もやばい。
白濱:えぐいよね! 空を見上げていますね。
佐野:ちゃんと対応しているんですけど、絶対興味ないんですよ。それがもうわかる。だから怖いんですよね。
白濱:10年一緒にいるとわかるんよね。
小森:怖いっすよ。興味ないときの「いいね!」と言うときのスピード半端ないですもん。
一同:(笑)
――この記事がでたらバレちゃいますね。
白濱:バレちゃうな。
小森:また怖いのが、たぶんこの記事を読んでも彼は「そうすか?」と平気で言うタイプなんです。ホラーです、彼も。
――最後に、ホラーにかけてもうひとつ。ツアーなどで全国を回られていますが、そのとき体験した怖い話はありますか?
佐野:それはもう、髪の毛じゃない?
白濱:ああ!(小森に)髪の毛の話だね。
小森:かなり昔なんですけど、先輩のツアーに同行したとき地方でひとり部屋に泊まったんです。部屋の湯船に浸かろうかなと思って、お湯をガ―っと出したら、すっごい泥みたいな、ちょっと錆びた水みたいなのが蛇口からワーッと出てきて…。「え、嫌だな」と思って栓を抜いたら、その栓に髪の毛がデュルデュルデュルってついていて!!…それがあまりにも怖くて、亜嵐くんの部屋に行って一緒に寝てもらいました。
――最後ほっこりのオチで終わりました(笑)。
白濱:仕方がないので一緒に寝ましたよ。迷惑な話ですよね、本当に!(笑)
(取材・文:赤山恭子 写真:松林満美)
映画『ミンナのウタ』は、8月11日より全国公開。