岡田麿里監督によるアニメ映画『アリスとテレスのまぼろし工場』より、最新映像満載のファイナル版予告映像が解禁された。

【動画】『アリスとテレスのまぼろし工場』、最新映像を使用したファイナル版予告映像が解禁

 本作は、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。

』の脚本家であり、監督デビュー作『さよならの朝に約束の花をかざろう』で国内外から高い評価を得た岡田麿里の監督2作目。数々のヒット作を手がけるスタジオMAPPA初のオリジナル劇場アニメーション作品だ。主人公・菊入正宗役を榎木淳弥、正宗の同級生・佐上睦実役を上田麗奈、謎の少女・五実役を久野美咲が演じ、中島みゆきが初のアニメーション映画への書き下ろし楽曲「心音(しんおん)」を主題歌として提供した。

 この度、ファイナル版予告映像が解禁された。突然起こった製鉄所の爆発事故と空に広がるおびただしい数のひび割れに、正宗たちがとまどう様子から映像は始まる。「この見伏に閉じ込められてしまったのです!」と製鉄所からの発表がこだまする中、時が止まった町から出られなくなった正宗は「俺たちはどこにも行けない」と退屈そうな視線を投げる。


 そこに現れたのは、気になる同級生・睦実。「私の名前、どういう字書くか知ってる? 六つの罪と書いて、六罪(むつみ)」と強気な視線を正宗に向ける。そして映像は、無邪気に飛び回る謎の少女・五実と睦実、正宗との出会いを映し出す。

 しかし、これは世界の均衡が崩れる始まりだった。絶叫する正宗、吹き飛ばされる睦実、泣き顔の同級生と、突然現れた狼のような煙が混ざり合う、疾走感あふれる映像。全てを飲み込んでしまいそうな煙が、とてつもない迫力で縦横無尽に動き回る。
“何かの崩壊”を予感させる映像に、思わず息をのむ。

 後半は、「どこにだって行けるのに、気持ちだけどこにも行けない毎日を送っている」「この世界に正しいことなんてあるのだろうか」と、鬱屈した気持ちを絞り出すような正宗の声、「この異常な世界だって人はいくらでも変われる」という叔父・時宗の決意が込められた声が続き、怒涛のクライマックスへとなだれ込んでいく。

 「いたぁぁいー!」という少女の絶叫に反応して、ひび割れていく空と降り注ぐ雨が意味するものとは? 止められない恋の衝動をぶつけ合いながら未来へともがく少年少女たちが、最後に見るものとは? MAPPA制作陣が生み出した、新次元の圧倒的な映像美に期待が膨らむ。

 先行試写の上映後、映画評論家やアニメーションに造詣が深い評論家からも、勢いと熱量あふれるコメントが続々と到着した。そのコメント群は、ファイナル版予告映像でも確かめることができる。

 また、入場者プレゼントの情報も一挙解禁された。
6週連続で描き下ろしの版権ビジュアルを大胆に使ったグッズが予定されている。第1週目(9月15日配布)は、ファイナル予告PVで泣き叫ぶ謎の少女・五実を描いた【恋する狼少女「五実」ビジュアルカード】。第2週目(9月22日配布)は、主人公・正宗のミステリアスな同級生・睦実を描いた【恋する狼少女「睦実」ビジュアルカード】。この2枚は並べると対となるシンメトリーデザインになっている。3週目以降のプレゼント内容も順次発表予定だ。

 アニメ映画『アリスとテレスのまぼろし工場』は、9月15日より全国公開。


※ファイナル版予告映像掲出のコメントは以下の通り。

<コメント全文>

■宇野維正(映画ジャーナリスト)
2023年最重要作品の一つだ。

■佐渡島庸平(コルク代表)
自分を持て余している中学生たちの感情が、ファンタジーの中でリアルに切なく描かれている。

■数土直志(ジャーナリスト)
この先、何十年も語り継がれることは間違いないだろう。

■SYO(物書き)
つんざくほど狂おしく切実なリビドー。

■土居伸彰(アニメーション評論・批評)
とんでもなさすぎて、まだ震えが止まらない…。


■中川右介(作家、編集者)
新しい世界を提示している。

■松崎健夫(映画評論家)
“抜け出そうとしても抜け出せない日常”に対して、わたしたちは共感する。

■氷川竜介(アニメ特撮研究家)
懐かしくも新鮮な感覚。