後藤久美子が、2024年新春に放送される松本清張ドラマスペシャル『顔』(テレビ朝日系)で30年ぶりにドラマ出演し、武井咲と初共演にしてダブル主演を務めることが発表された。

【写真】後藤久美子、まったく変わらない美しさに感動!

 後藤は2019年に公開された映画『男はつらいよ お帰り 寅さん』で女優復帰を果たし、第44回日本アカデミー賞 優秀助演女優賞を受賞した。

そんな後藤が、満を持してドラマ復帰する。ドラマ出演は1994年に放送されたドラマスペシャル『誰よりも君のこと』(テレビ朝日系)以来となる。

 後藤とともにダブル主演を務めるのは、2017年に木曜ドラマ枠で放送された『黒革の手帖』で松本清張作品に初主演、主人公の原口元子役を好演した武井咲。同作の続編として制作されたドラマスペシャル『黒革の手帖~拐帯行~』(2021年)でも、その悪女ぶりは健在。松本清張作品の“悪女”として確固たる地位を築いた武井が、今作『顔』で後藤と相対することになる。

 原作は、松本清張が1956年に発表した短編小説『顔』。
これまで幾度となく実写化されてきた名作を、現代版へと大胆にアップデート。令和の「今」にふさわしいテーマと人物設定で、老若男女が楽しめるエンターテインメントドラマへと昇華させる。

 武井が演じるのは、音楽界を席巻する覆面アーティスト、井野聖良。美しい顔と歌声を持ちながら、聖良が「顔を出さないこと」を条件にアーティスト活動をするのには“ある理由”があった。それは、彼女が「殺人犯」だったから―。

 一方、殺人を犯した現場から立ち去る聖良を唯一目撃していた人物が、後藤演じる石岡弓子。
人権派の弁護士で、ある出来事をきっかけに聖良と再会することになる。

 歌手としての成功を勝ち取った一方で、殺人を犯した過去との間で揺れ動く聖良、そして事件の唯一の目撃者であり、殺人犯を追い詰めていく弓子。2人が再び出会うとき、果たしてどんな物語が動き出すのか…?

 後藤は30年ぶりのドラマ出演にあたり、「そんなにも長い時間という感覚もなく、あっという間に過ぎ去った日々でした。どんなものが作れるのかというワクワクする気持ちと、できるのかなという気持ちといろいろな気持ちが渦巻きながらも、まだ時間があるから大丈夫かなと思っていたら、気づいたらもうクランクインでした。…頑張ります(笑)」とコメント。

 出演を決めた理由については「非常に私事になりますが、私、オスカープロモーション所属歴40年なんです。
でも、ここ何年も『幽霊会員』状態でして…(笑)。いつも事務所に会長、社長に会いに遊びに行くと、子育て相談所みたいな感じになっていたんです。で、まあこの辺りで会長と社長と、もっと仕事の話で盛り上がる場を持てたらいいなと思って、それで仕事をしようと決めたわけです(笑)」と明かした。

 武井は大先輩である後藤との共演について「本当にうれしいです。10年ほど前に、CMの撮影で海外に行った際にお会いしたのですが、その時以来だったので、今でも心臓の音が聞こえるくらい緊張しています(笑)。それと同時に、不思議と心強い、家族のような温かい気持ちも感じています。
後藤さんのドラマ出演が決まった時は、本当に会社中が喜んでいました(笑)! 会社の中がパッと明るくなったような…」と語った。

 松本清張ドラマスペシャル『顔』は、テレビ朝日系にて2024年新春放送。

※後藤久美子、武井咲コメント全文は以下の通り

<後藤久美子、武井咲 コメント全文>

【後藤久美子(石岡弓子・役) コメント】

今回、テレビ朝日のドラマスペシャル、武井咲、そして私、後藤久美子。この2人でどんなドラマが作れるか、どんな物語に仕上げたらよいか、さまざまな意見が出る中で、松本清張の『顔』ということに決まりました。内容はかなりアレンジされており、『顔』という小説の柱となる部分、根本的な骨組みを活かして膨らませた物語です。松本清張ファンはたくさんいらっしゃると思います。
そういう方々の期待を裏切らない物語に、脚本の浅野妙子さんが書き上げてくださいました。それぞれの役柄を通して、人として生きていく上での喜び、そして苦しみ――そんなことを視聴者の皆さまと共有できたらいいなと思っております。
武井咲、後藤久美子の共演作、第1ラウンドです。松本清張『顔』、よろしくお願いします。

――30年ぶりのドラマ出演にあたってのお気持ちは?
そんなにも長い時間という感覚もなく、あっという間に過ぎ去った日々でした。どんなものが作れるのかというワクワクする気持ちと、できるのかなという気持ちといろいろな気持ちが渦巻きながらも、まだ時間があるから大丈夫かなと思っていたら、気づいたらもうクランクインでした。
…頑張ります(笑)。

――30年ぶりに出演を決めた理由はなんだったのですか?
非常に私事になりますが、私、オスカープロモーション所属歴40年なんです。でも、ここ何年も「幽霊会員」状態でして…(笑)。いつも事務所に会長、社長に会いに遊びに行くと、子育て相談所みたいな感じになっていたんです。で、まあこの辺りで会長と社長と、もっと仕事の話で盛り上がる場を持てたらいいなと思って、それで仕事をしようと決めたわけです(笑)。

(ドラマ出演が決まり、会社中が喜んだ、と聞いて)
咲ちゃんもですからね、3年ぶりのドラマ出演ということで、ダブルで喜んでいただけたのならうれしいですね。そういう意味では、親も喜んでいました。デビュー当時は反対していた父親も「仕事はした方がいいぞ、いいじゃないか、仕事するのか」って(笑)。ありがたいですね、皆さんに喜んでいただけて。

――武井咲さんとの共演はいかがですか?
以前にCMの撮影でお会いした時は、咲ちゃんが17歳くらいだったと思いますが、第一印象が衝撃的だったんです。スタッフの間を抜けてこちらに歩いてくる咲ちゃんが全身からキラキラしたオーラを放っていて、素敵なお嬢さんだな、将来が楽しみだなって思っていたんです。今回こうしてお会いすることができて、一緒にドラマを作ることができて、とてもうれしく思っています。以前よりも落ち着いた、それでいて輝きが増した咲ちゃんとご一緒するのが楽しみです。

――弁護士役ということで、どんな準備をされましたか?
弁護士の方が実際にしゃべっている映像を拝見したり、弁護士事務所にお邪魔したりしました。一概に弁護士と言っても、どんな案件を扱うかでまた違ってくると思いますし、藤田明二監督とも弁護士としての弓子というよりも、人間としてどんな人生を歩んできた女性なのか、ということをアドバイスをいただいたので、それをしっかり受け止めつつ、ニュートラルな状態で臨みたいと思っています。

――松本清張作品への印象は?
とても重いです。しっかり理解しながら読み込まないと、理解できない小説を書く作家さん、という印象です。そんな松本清張の『顔』という作品を今回のドラマの脚本では、日常での出来事やサスペンス要素もあり、非常に上手く現代風にアレンジしていると思います。

――撮影期間中に楽しみにしていることはありますか?
咲ちゃんの家族の写真を見せてほしいです! いつ聞こうかな、いつ聞こうかなって思っていたんです(笑)。
(「みんな揃って来ると思います」との返答に)
本当に!? いつ来るか教えて。お菓子とか買って持っていくから!

【武井咲(井野聖良・役) コメント】

私が演じる井野聖良は、殺人を犯した過去のある覆面アーティストです。

今回、後藤久美子さんとご一緒させていただくことになり、それだけでも喜びと緊張といろいろな気持ちがある中で、それが松本清張作品ということで、ますますうれしく思っています。『黒革の手帖』はたくさんの方々に声をかけていただくきっかけとなった作品ですが、今回はまた違った松本清張作品の違った役で、アップデートされた『顔』という物語がたくさんの方々に伝わったらいいなと思っています。

後藤さんと共演させていただける夢のようなこの作品。一瞬一瞬を噛み締めながら、撮影を頑張りたいと思っています。たくさんの方に楽しんで見ていただけるような素敵な作品に仕上げたいと思っていますので、どうか皆さまよろしくお願い致します。

――武井さんは3年ぶりのドラマ出演ですが、いかがですか?
自分の感覚としては3年も経った気がしないほど、あっという間に過ぎていたのですが、やはり久しぶりに現場に立つと感覚が戻ってきて心地よくて、スタッフさんや近くにいる人にどんどん話しかけちゃったりして、現場って楽しいなと思いながら過ごしています。

――大先輩である後藤久美子さんとの共演はいかがですか?
本当にうれしいです。10年ほど前に、CMの撮影で海外に行った際にお会いしたのですが、その時以来だったので、今でも心臓の音が聞こえるくらい緊張しています(笑)。それと同時に、不思議と心強い、家族のような温かい気持ちも感じています。
後藤さんのドラマ出演が決まった時は、本当に会社中が喜んでいました(笑)! 会社の中がパッと明るくなったような…。

――殺人を犯した覆面アーティスト、を演じるにあたって
「サスペンス」「殺人犯」というキーワードはあるのですが、本当は人を殺してしまうような役柄ではなく、松本清張作品ならではの、3つも4つも感情を持った人物なので、自分でもイメージがつかず悩んでいたんです。そんな中で藤田明二監督から「ぼーっとしていてほしい」とおっしゃっていただいたのが、自分の中でストンと落ちてきて…。その感覚を持ちながら、リアルな部分を大切にしながら丁寧に撮影を続けています。

――松本清張作品への印象は?
『黒革の手帖』をやらせていただいたときは、悪女ってこんなに気持ちいいものだったんだ、と思わせてくれる役柄でした。今回はずっと息が苦しいような役で、自分が溜めていた思いを後藤さん演じる弓子に出会って、どう変化していくのかという役だと思うので、今はそれを思いっきりぶつけるときまで我慢している日々です(笑)。

――撮影期間中に楽しみにしていることはありますか?
私はもう、今この瞬間も噛み締めているのですが、お芝居を離れた部分では、後藤さんのミステリアスなプライベートなお話をたくさん聞けたらうれしいなと思っています。
あとは、またいずれ海外で後藤さんと一緒に過ごせたらうれしいです。

【テレビ朝日・内山聖子エグゼクティブプロデューサー コメント】

『黒革の手帖』『砂の器』『ゼロの焦点』。
人間社会の闇や格差に徹底的に斬り込んだ稀代のミステリー作家、松本清張。
彼が生きていたら、現代の何にスポットライトをあてるのでしょう。
SNS.、ソーシャルメディア、デジタルタトゥー…最先端のツールによって、人が陥るエアポケットとは?
このたび、後藤久美子×武井咲という美しく華やかな俳優の光と影を、原作『顔』を大胆にアレンジして描きたいと思います。

「必死に幸せになりたい」と願う、働く女性の、戦いと友情をお楽しみに!