俳優の伊藤沙莉石田ゆり子、岡部たかしが26日、都内で行われた2024年度前期 連続テレビ小説『虎に翼』(NHK総合ほか)取材会に出席。クランクインしたばかりだという伊藤らが本作への思いを語った。



【写真】ヒロイン猪爪寅子を演じる伊藤沙莉

 連続テレビ小説第110作となる本作は、日本初の女性弁護士の一人となり、女性初の裁判所長も務めた三淵嘉子(1914~1984)をモデルに、日本史上初めて法曹の世界に飛び込んだ一人の女性とその仲間たちの物語を描く。

 主人公の猪爪寅子(いのつめ・ともこ)を演じる伊藤は、“朝ドラ”という国民的ドラマの主演という立場にプレッシャーも感じていると明かし、「毎朝、NHKをつけている方々の目に触れるということで、どういうふうに映るのか、どういう印象を持たれるのかはすごく気にしていましたし、クランクインする前は緊張していました」と本音を吐露。しかし、実際に撮影に入った今は「何よりこの作品を楽しんでいただくことが何より大事だと思うので、この作品を愛して大事に演じることで伝わると思います」と思いを新たに励んでいると話す。

 朝ドラとそのほかの作品の違いについて聞かれると、「大きく違うなと思うところはまだそんなに感じてないのですが、1話から(順番に)撮影できるわけではないので、長いスパンで考えて、辻褄が合うようにというのは考えています。そうした計算をしながら演じるのは他にはない戦い方だと思います。そこが新しくて楽しい」と明かした。


 寅子の父・直言役は岡部、母・はる役は石田が務める。岡部は、オファーを受けた時の心境を「本当に信じられなかったです。(妻役が)石田ゆり子さんと聞いて、ものすごく驚いたことを覚えています。いまだにずっと驚きで、まだ緊張が解けてない中で撮影が進んでいます」と当時を思い返す。

 一方、朝ドラ初出演となる石田は「NHKの連続テレビ小説は、子どもの頃からずっと家族で観ていて、番組のテーマ曲を聴くだけでそのときの空気が蘇るような存在なので、大変うれしかったです。若い頃は、何回もヒロインのオーディションを受けて、全部落ちてきました。
もうヒロインの年齢ではなくなり、すっかり縁遠くなっていましたが、ついに来たという感じですね。ついに来たのがお母さん役だったので、私にはこういう感じが合っているんだなと思いました」と笑顔で語った。

 また、伊藤と石田、岡部は本作が初共演だが、伊藤は「寅子が両親が望んでいる発言をして、二人が喜ぶというシーンがあったのですが、(両親役の石田と岡部の)二人がラブラブに見えて、寅子は複雑な気持ちですが伊藤としてはとても幸せな気持ちになりました」と撮影を振り返った。

 伊藤の魅力について話が及ぶと、岡部は「本当に上手ですよね。間違ったり、噛んだりしないですし、声もいい。話がスッと入ってくる」と絶賛。
石田も「夢と希望がいっぱい詰まった、弾んでいるボールみたい。一緒にいると、それがパーンと飛んでくる感じです。(芝居でも)沙莉ちゃんはぶつかってきてくれるので、刺激されていい芝居を返せる。尊敬しています」とコメントした。

 これまで声にコンプレックスを抱いたこともあったという伊藤は、岡部からの称賛を受けて「本当にうれしいですし、ありがたいなって思います。そう言ってくださったり、感じてくださる方がいてくださるおかげで立っていられる」と満面の笑みを浮かべ、「声ばかりは変えようがないので悩んでいた時期もありました。
会見の時にもお話ししましたが、母に『これ以上、物理的に枯らすと朝、聞く声じゃないって言われるから、これ以上は枯らさないように。でも、絶対にそう書く人はいるから落ち込まなくていい』と言い聞かされてやっていたので、お二人が聞いて不快感がなかったならそれが自分の中でベスト。ありがたいです」と重ねて喜んだ。

 連続テレビ小説『虎に翼』は、NHK総合ほかにて2024年春放送開始。