“初恋”の別れから10年後を描いた大人のロマンティック・ラブストーリー『消せない初恋』。本作は、消防士と救命医として運命的な再会を果たした2人が、忘れられない大切な青春の恋に再び火を灯す“初恋”ドラマだ。
【写真】初恋相手と再会! 消防士役のヤン・ヤン×救命医役のワン・チューラン
■もどかしい2人が織りなす人間ドラマ
青春のノスタルジーをかき立てる“初恋”ドラマといえば、日本での韓流ブームに火をつけた韓国ドラマ『冬のソナタ』(2002)をはじめ、中国・韓国でリメイクされた『プロポーズ大作戦』(2007)、近年Netflixで評判となった『First Love 初恋』(2022)まで、日本、中国、韓国で多くの人気作が挙げられるだろう。現実では学生時代の純粋な恋を貫くのは難しいと感じるからこそ、“初恋”が障害を乗り越えて成就するラブストーリーを観たいと思うドラマファンが多いのではないだろうか。
中国ドラマ『消せない初恋』もそんな青春の“初恋”をテーマにした作品で、主人公の男女は身分差カップル。ヒロインのシュー・チンは裕福な家庭で養女として育った優等生で、彼女が高校時代に恋をするのはワケありの不良学生ソン・イエンだ。自由に憧れるお嬢様が奔放な男子に恋をして親の反対で破局するというと、何だか使い古された設定に思うかもしれない。だが、医師となって戻ってきたシュー・チンがソン・イエンと再会を果たし、失った“初恋”を取り戻そうと奮闘する姿は切実でリアル。今を生きる男女の心の機微を丁寧に描いた深い人間ドラマに引き込まれる展開となっていく。
■母の反対が引き裂いた2人の“初恋”
養母に箸の上げ下ろしまで厳しく躾けられたシュー・チンは、自分の立場を自覚して理想的な娘になるべく必死に生きてきた。本当の自分を押し殺す彼女は周囲との人間関係も苦手。殻に閉じこもることで自分を守ってきたが、そんな彼女の心を解放してくれたのがソン・イエンだった。それは「彼といる時だけが生きていると実感するの」という彼女の言葉によく表れている。
それから10年。大人になったシュー・チンは経済的にも自立した今ならソン・イエンとやり直せるのではないかと希望を抱いて彼のいる地元に帰ってくる。ソン・イエンはその命知らずの大胆さを消防士としての使命に注ぎこんでレスキュー現場で活躍しており、救急科の医師となったシュー・チンは彼と度々顔を合わせるようになるが、頑なに彼女を拒否する彼は取りつく島がない。当時の無言の別れがソン・イエンをどんなに深く傷つけたのか、彼女は今になって思い知ることになる。
しかもシュー・チンは彼から「よりを戻したとしてもやはり君は同じ決断をするだろう」と言われて返す言葉がない。厳しい養母は今でも彼との交際、ましてや結婚など許さないのは火を見るより明らかだからだ。そんな苦しい状況をシュー・チンが正直に打ち明けられるのは、血の繋がらない兄モン・イエンチェンだけ。同じく親の支配を受けている寡黙でストイックな兄は、彼女が同じ悩みをシェアできる理解者で、実は彼もまた親には決して言えない恋をしている。彼が子供の頃から叶わぬ想いを寄せる相手はシュー・チンなのだ。
■大人になった2人が出した10年越しの答えとは…
こうしたままならない人間関係の中で次第に明らかになってくるのは、シュー・チンだけでなくソン・イエンも10年ずっとこの“初恋”の想いを守り続けてきたということ、2人が引き裂かれた裏にはまだ彼女が知らない事実が隠されているということだ。「若い頃に負ったいくつかの傷は何事もなければ塞がれる。
そんな中、2人の関係に転機が訪れる事件が起こる。地震災害に見舞われたソン・イエンとシュー・チンは共に現場で救助活動に当たることになるが、その最中、ソン・イエンががれきの下に埋まり重傷を負ってしまうのだ。そこでシュー・チンは何としてでも彼を救おうと必死になるが…。
10年前の“初恋”を取り戻したい──そう願う男女のありのままの姿を描き出す物語は記憶喪失やタイムスリップといった設定がなくても十分に胸を打つストーリーになる。強く成長していくシュー・チンを演じるワン・チューラン、理不尽な現実と闘うソン・イエンを演じるヤン・ヤンの好演も相まって、本作は“初恋”に伴う甘ずっぱい喜びとせつない痛み、“愛”がもたらす生々しい苦悩と得難い幸せを描いた珠玉のラブストーリーとなった。再会した2人が10年越しの“初恋”にどんな答えを出すのか。最後には熱い涙が溢れる感動のエンディングが待ち受けている。
『消せない初恋』DVDは、5月3日(金)リリース。U‐NEXTで独占先行配信中。