70代に迫ろうかという今も裸一丁、その肉体で男の生きざまを語る世界の番長シルヴェスター・スタローン。そんな“奇跡の67歳”が新境地に挑んだ『バレット』のブルーレイ&DVDリリースが間近に迫った。
世界中の男たちを筋肉へ走らせ、魅了してきたキャラクターを振り返り、ニューヒーローの魅力に迫る。

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 まずはスタローンの代名詞のみならず、「アメリカンドリーム」という言葉を最も体現するキャラクターともなったロッキー・バルボア。第1作で試合に敗れるも愛は勝ち取ったロッキーは、その後様々な困難に見舞われながらも必ず立ち上がり最終的には勝利する不屈のヒーローに成長。第4作の最後に訴える「人は変われる!」、あるいは最終作のテーマである「自分を諦めない」というメッセージは全世界に感動を与えた。

 続いてロッキーと並ぶスタローンの代名詞であるジョン・ランボー。こちらは1人で軍隊と渡り合うほどの戦闘力を有するが、ベトナム戦争で全てを失い、心に傷を負った悲しみの戦士である点がポイント。
命と青春の全てを戦場に捧げた、自分と仲間に対するアメリカの愛を求める第2作ラストの叫びは心に突き刺さる。

 この他、凶悪犯より凶悪なロス市警のはみ出し刑事『コブラ』、息子への愛を腕相撲に込めた『オーバー・ザ・トップ』など、80年代はスタローンの全盛期。その後コメディ路線で迷走した時期もあったが、近年はロッキーとランボーを総決算し、『エクスペンダブルズ』で新たなヒットも生み出し復活。“悪人”という、これまでにない境地に挑んだ『バレット』で自身の新章スタートさせる。

 スタローンが今回演じるジミー・ボノモは逮捕歴26回、有罪判決2回という“ザ・極悪人”なプロの殺し屋。「悪党には死を! そいつが一番の薬だぜ!」というのが『コブラ』のキャッチコピーだが、本作ではジミー自身も悪党であるのがミソ。
しかしそこはスタローン、女・子どもは殺さず、娘や相棒にはドライながらも温かな愛情を向けるなど、ジミーには熱いハートと血が宿っている。

 監督はこれが10年ぶりの復帰作となる『48時間』などアクション映画伝説の名匠ウォルター・ヒル。そしてプロデューサーは『ダイ・ハード』『マトリックス』など大ヒットシリーズを手掛けたジョエル・シルヴァー。

 愛する者を脅かす者は断じて許さない! ダーク・ヒーロー=ジミーの魅力と弾丸がさく裂する『バレット』は10月9日(水)TSUTAYAだけレンタル開始、11月8日(金)セル発売。

(文:しべ超二)