1984年にデビューすると、またたく間にトップアイドルに上り詰めた菊池桃子。今なお、ファンから高い支持を受ける菊池が、今年、デビュー30周年を迎える。
自身のヒット曲をセルフカバーした「青春ラブレター~30th Celebration Best~」が4月30日に発売されたばかりだが、記念イヤーとなる今、30年の活動を振り返った。

【関連】菊池桃子 シングルジャケットでデビュー30周年を振り返る

 優しく甘く、どこかはかなげなウィスパーボイスが復活する。30周年を記念した本アルバムでは、デビュー曲「青春のいじわる」を含む全11曲を新しく録音。菊池にとっては、実に23年振りの新作アルバムとなる。

 「そんなに長く出していないとは思っていなくて、自分でも驚きました」。菊池は今も変わらない可愛らしい笑顔で話すと「節目となる年にアルバムの発売やコンサートが用意されていて、すごくうれしいです」と、今の気持ちを率直に語った。


 アルバムには、作詞を鈴木おさむ、作曲をつんくが手がけた書き下ろし曲「青春ラブレター」も収録。実は、この豪華コラボレートは、2人がデビュー当時からの菊池のファンだったことから実現した。菊池自身も、「ファン代表のお2人なので、昔からのファンの方たちを裏切らない曲を作ってくださると思っていました」と絶大な信頼を寄せた。そして、「この曲はデビュー曲『青春のいじわる』のアンサーソングなんです。『青春のいじわる』では、青春時代の思いを歌っているのですが、30年経って、あの頃はどんな思いだったんだろうと振り返っているのがこの曲なんです」と、うれしそうに説明してくれた。

 30周年に合わせて、27年振りになるというコンサートも開催。
当初は2公演の予定だったがチケットは即完売。追加公演も決まった。「今、コンサートしても、来て下さる方がいるのかなというのがすごく心配だったんです。でも、すぐにチケットが売れたということを聞いて、すごいなと他人事のように驚いて、またうれしく思いました。追加公演も決まったので、張り切ってやりたいなとうれしく思います」。
 デビューから30年という長い間、第一線で活躍し続けた菊池。
芸能生活を振り返り、印象的だった出来事を聞いてみると、鈴木雅之とデュエットした「渋谷で5時」に参加したことをあげた。「実は、音楽の世界で自分の声を使うことが嫌になった時期があるんです。もともと声量がないので、伴奏に自分の声が負けちゃって、私、歌わない方がいいのかなって思ってたんです。そんなときに、鈴木さんに誘っていただきました。実は一度、お断りしているんですよ。鈴木さんはたっぷりとした声量を持ってらっしゃる、実力派シンガーで、どう考えても私なんか必要じゃないって思って。
それでも、大丈夫だからって何度も誘っていただいて、やってみることにしました。自分の声を褒めてもらえて、必要だって言ってもらえたってことは、私にとって、ターニングポイントだったのかなと思います」。

 菊池桃子を作る魅力のひとつだと多くの人が認識しているであろう、彼女の「歌声」が、実は自身ではコンプレックスだったというのだ。「自分の声、好きですかって聞かれたら、皆さん、嫌いだって言いますよね(笑)。私自身ももっと憧れる声ってありましたよ。でも、これが私のオリジナルなので、大切にしたいなと今年は特に思っています」。


 最後に、デビューから30年経っても当時と変わらない可愛らしさと若さを保っている菊池に、美の秘訣を聞いてみると、「眠ること」という言葉が返ってきた。「私はたくさん寝ると、寝るだけ元気が出る人なので、家に帰ってからの時間を、いかに効率よくして睡眠時間を確保するかということを心がけています。朝は早く起きてお弁当作っているんですよ。だから、夜は、なるべく早く寝ようと思ってます」。

 変わらない可愛らしさ、そしてチャーミングさ。記念イヤーを迎えた菊池桃子の活躍に再度注目だ。
(取材・文:嶋田真己)

 30周年ベストアルバム「青春ラブレター~30th Celebration Best~」は絶賛発売中。30周年記念ライブ「青春ラブレター」は5月24日、25日に東京・品川ステラボールにて全3公演開催。