2026年4月21日、JR関内駅前の「BASEGATE横浜関内」に星野リゾートが手掛けるホテル「OMO(おも)7横浜」が開業します。開業によって横浜の観光市場にどのような変化をもたらすのか、リポートします。


■86.5%が「日帰り」!? 横浜に宿泊したくなる新たな仕掛けを
横浜は日本屈指の観光都市で、2024年は年間約3800万人が横浜市を訪れました。しかし、このうち86.5%(※)は横浜市内に宿泊しない「日帰り」でした。

横浜が東京に近過ぎることが大きな要因であり、宿泊客の伸び悩みは横浜にとって大きな課題となっています。

星野リゾートは横浜中心部に2つのホテルを開業することで、横浜に泊まりたくなる新たな楽しみを提案し、観光市場を盛り上げたいとしています。

1つは2026年1月15日に開業した「OMO5横浜馬車道 by 星野リゾート」。全室にキッチンを備えた星野リゾート初のアパートメントホテルで、みなとみらい線 馬車道駅直結の超高層複合ビルの46~51階にあります。

そして、もう1つが4月21日に開業する「OMO7横浜 by 星野リゾート(以下、OMO7横浜)」です。

星野リゾートの星野佳路代表は、BASEGATE横浜関内記者発表会で「“泊まっていただくためのサービス”を考えることが私たちのテーマです」と意気込みを語っています。

■宿泊しなければ分からない横浜の楽しみ方を提案
「OMO7横浜」のコンセプトは「気分上々、ハマイズム」。「ハマイズム」は横浜が時代ごとに新旧を融合させ、常に新しいものとして発信してきたそのエネルギーを表現した造語です。そんな「ハマイズム」が感じられる新感覚の滞在拠点となることを目指しています。

「OMO7横浜」の羽毛田実 総支配人は、「関内エリアには、みなとみらいや横浜中華街、野毛エリア、そして横浜スタジアムや横浜BUNTAIという魅力的なコンテンツが徒歩圏内に集まっています。
単なる泊まる場所ではなく、横浜を楽しみ尽くす拠点にしていきたいと考えています。ここに宿泊したからこそ、新しい横浜の楽しみ方がわかった、という提案をすることで、宿泊者を増やし、横浜の観光市場を盛り上げていきたい」と話します。

ここからは、そんなハマイズムを体感できる3つのポイント「新旧融合のレガシーホテル」「街を知り、楽しみつくすサービス」「新たな食体験と愛犬とのホテルステイ」について、詳しくみていきましょう。

■ポイント1:旧市庁舎を活用した「新旧融合のレガシーホテル」
「OMO7横浜」は旧横浜市庁舎行政棟を活用し、ホテルとしてコンバージョンしています。

昭和を代表する建築家の村野藤吾氏がデザインした旧横浜市庁舎は2020年まで使用され、2025年8月には戦後の建造物として初めて「横浜市認定歴史的建造物」に認定されました。この外観や内観は、横浜市民の記憶に深く刻まれています。

インテリアのリノベーションにあたっては「接木(つぎき)としての改修デザイン」というコンセプトを掲げています。

空間の中央が広く、窓際にヒューマンスケールの居場所をつくるという村野藤吾氏らしい「空間構成」を持ち込み、旧市庁舎に見られた色彩(赤・青・緑)や素材、照明などを再構成し、オリジナルのまま残せるものは原位置で保存・再利用しています。

宿泊して、館内にちりばめられたレガシー探しを楽しんでほしい、という思いが館内の随所に感じられます。

■ポイント2:スタッフが伝授「街を知り、楽しみつくすサービス」
「街を知り、楽しみつくすサービス」を担うのは、「ご近所ガイド OMOレンジャー」と呼ばれるスタッフです。自ら足を運んで周辺の情報を収集し、「ご近所マップ」(1階OMOベースに掲示)としてまとめています。

OMOレンジャーは約600もの飲食店が連なるディープな街・野毛の名店を厳選して紹介する「野毛ホッピングセレクション」も実施。
訪れるのが初めての方も安心して夜の野毛の食文化を楽しめます。

また、OMOブランドで展開する夜のイベント「ローカルリズムナイト」では、浜風を感じながらフェス気分で過ごす「気分上々、ハマナイト」を開催。旧横浜市庁舎の屋上を活用した「HAMAKAZEテラス」で、クラフトビールや限定フードを片手に、横浜ゆかりのジャズなど多彩な音楽を楽しめるイベントを宿泊者に向けて毎夜実施し、横浜での滞在を彩ります。

■ポイント3:パン飲みなどの「新たな食体験」と「愛犬とのホテルステイ」
「OMO7横浜」での新たな食体験は、「OMOダイニング」とOMOブランド初の形態「OMOベーカリー」が担います。

「OMOダイニング」では、素材や提供方法にこだわった朝食ビュッフェ「Yokohama Morning Specialties」をはじめ、夜は、横浜らしいナポリタンやドリアのほか、オリジナリティーあふれる中華メニューを用意します。

「OMOベーカリー」では、朝はカフェテリア形式でパンを中心のセットメニューを、昼から夜にかけてはカレー伝来の地である横浜にちなんで特製のカレーパン5種類を含む、約30種類のパンを販売します。夜はパンをおつまみにお酒を飲む「パン飲み」も楽しめます。

さらに、「OMO7横浜」は愛犬との宿泊も歓迎します。ワンフロア丸ごと愛犬家専用となり、小~大型犬2頭まで一緒に過ごせる「ドッグフレンドリーダブルルーム」「ドッグフレンドリーデラックスルーム」「ドッグフレンドリースイート」の3タイプが用意されています。

屋外ドッグランと屋内ドッグラウンジの両方を備えた「OMOドッグガーデン」も整備。これまでにない規模で、愛犬とのホテルステイを支援します。

このような星野リゾートによる新たな横浜の楽しみ方の提案によって、観光での宿泊需要の創出につながることが期待されます。


「OMO7横浜 by 星野リゾート」情報
住所:横浜市中区港町1-1-1
アクセス:JR・横浜市営地下鉄ブルーライン「関内駅」より徒歩1分、JR根岸線「関内駅」より徒歩1分、みなとみらい線「日本大通り駅」より徒歩7分
客室数:276室
客室料金:1泊1室 税込3万6000円~(2名利用時、食事別)

※令和6年(2024年)横浜市観光集客指標(観光入込客数、観光消費額)より算出

この記事の執筆者:田辺 紫 プロフィール神奈川県在住コピーライター。2001年2月より総合情報サイト「All About」で横浜ガイドを務める。2009年4月、第3回かながわ検定 横浜ライセンス1級取得。「横浜ウォッチャー」として、ブログ、SNSを運営。
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